「涼州詞」 王翰 -自作英訳第二版- | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

私は果物のことはあまり知らないが、今頃はたぶん「葡萄」の収穫時期だろう。昨年の秋から暮れにかけてキリンの「氷結・白ブドウ」という缶チュ-ハイをよく飲んだ。今年も発売されるのだろうか?

 

以前に比べて度数の強い酒は全く飲めなくなった。それはそれで体には良いことなのだろうが・・・。

 

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「涼州詞」  王翰

 

葡萄美酒夜光杯        葡萄の美酒 夜光の杯

 

欲飲琵琶馬上催        飲まんと欲すれば 琵琶馬上に催(もよお)す

 

酔臥沙上君莫笑        酔ひて沙上に臥すとも 君笑う莫(なか)れ

 

古来征戦幾人回        古来征戦 幾人か回(かえ)る

 

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(現代語訳)

美味い葡萄酒を夜光(白玉)の杯に注いで飲もうとすると、誰かが馬上で奏でる琵琶の音が聞こえてくる。

たとえこのまま酔い潰れて砂の上に倒れてしまったとしても、そんな姿を笑わないで欲しい。昔から多くの人が戦地に赴いているが、果たして何人生還しただろうか。

 

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(自作英訳第二版)

"A Song of Liangzhou" by Wang Han 

 

On the point of drinking a luminous glass of sweet wine,

Strains of a lute come from on the horse.

Never laugh at me, even though I may get drunk on the sand,

How few have ever come back from the battlefield. 

 

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「涼州詩」は私が最も好きな漢詩の一つで、哀愁と異国情緒を同時に感じさせてくれる。英訳は自作してみた。

流離の翻訳者 果てしない旅路はどこまでも-luminous glass