これは翻訳者なら誰でも思うことだろうが、原文の日本語にいわゆる「カタカナ英語」が含まれていることが多い。
まともなカタカナ英語(?)ならまだしもその場で創作(造語)したと思われるものもある。でもこのような言葉を英訳するのは結構面白い。妙な優越感のようなものを感じてしまうからである。
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先日ある原稿で「コンパクト化」という日本語がでてきた。おそらく一般的に使われているもので意味も単純明快である。
どうせ無いだろうと思いながら「コンパクト化」の訳語をネットで検索してみると・・・、何と”compactification”という語が出てきた。先日書いた「美化」の”beautification”を思い出した。
動詞は”compactify”であるが、英英辞典に記載は無かった。英和辞典に「(空間を)コンパクト化する」《数》と記載があった。これは数学用語である。
大学の教養部の頃たぶん「位相解析入門」という恐ろしく難解な数学書に「コンパクト空間」という言葉がでてきたのを思いだした。もちろん意味はわからない。
原文は「設備のコンパクト化(小型化)」を言っているので、この”compactification”を使うことは適切でない。この場合は”downsizing”という言葉を使うべきだろう。
なお「カタカナ英語」に関して以下のHPを見つけたので参考までにアドレスを記載しておく。