「省エネ法」の誤訳に注意!! | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

季節柄「省エネ」に関する文書を処理することが多いが、先ほど重要な発見をしたので備忘録の意味で記載しておく。


「省エネ」は英訳すると普通は”energy saving”である。これを「節約」という意味のやや格式のある語”conservation”を使って”energy conservation”と言うことがある。


クライアントには”energy conservation”という語で統一しているところもあり、その場合はこの語を使用するようにしている。


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ところで「省エネ法」という日本語に関して、「法」は通常”law”または”act”であるが、法務省の提供している以下の英文法令DBに基づき私は”act”を使用してきた。


http://www.japaneselawtranslation.go.jp/law/?re=01


従って、普通「省エネ法(略称)」を英訳すると”energy saving act (Energy Saving Act)”となる。実は過去の翻訳者がこれを”energy conservation law”と訳していた。なんとなく違和感みたいなもの(?)を感じて調べてみた。


なんと”energy conservation law”の意味は、物理学の「エネルギー保存の法則」のことであった。全く異なるものを示すので他の翻訳者も誤訳に注意されたい。


なお、省エネ法の正式名称は「エネルギー使用の合理化に関する法律」でその英訳は”Act on the Rational Use of Energy”である。