昨日紹介した「真夏の夜の夢」がTVで流れた1993年という年は、曲に反して実は記録的な冷夏で、たぶんこちらでは梅雨が明けなかったのではなかったか・・・?と思って調べてみると
http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/baiu/kako_baiu04.html
やはりこの年梅雨は明けなかった。嫌な夏だった。ただその翌年、翌々年と続けて酷暑と水不足に見舞われることになった。でも今年の雨の降り方であればこちらで水不足の心配はないだろう。
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「水」や「水道」に関する文書の翻訳については今までに結構こなしてて、特に英訳の需要が多かったように思う。ある翻訳会社が主催する翻訳者認定試験にも「上下水道」という科目が追加されたほどである。
私が以前英訳したのは、地方公共団体の水道局の冊子やHPなどであった。
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水道関係の専門用語は数多く、例えば「水道(上・下水道)」という言葉を表現するだけでも”waterworks”, “water utility”, “water service”, “water supply”, “sewage”, “sewerage”, “drainage”, etc.・・・。様々な表現がある。
結局その日本語が「設備」を言ってるのか、「事業や部門の名前」なのか、または「上・下水道水自体」のことなのかで単語を使い分ける必要があった。まあこれは他の分野でも同じだと思うが、似たような意味の単語が多いのである。
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今回このうち”waterworks”, “sewerage”, “drainage”の定義を紹介しておきたい。
“Waterworks”:
A waterworks is a building where a supply of water is stored and cleaned before being distributed to the public.
「供給水が、公共に配給される前に、蓄えられ浄化される建物」
“Sewerage”:
Sewerage is the system by which waste matter is carried away in sewers and made harmless.
「廃棄物(廃水)が下水管により搬送され、無害化(浄化)されるシステム」
“Drainage”:
Drainage is the system or process by which water or other liquids are drained from a place.
「水その他の液体が特定の場所から排出されるシステムまたはプロセス」
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「水道局」という日本語に”Waterworks Bureau”という単語を使ってる場合が多いようであるが、定義を見ると”waterworks”は「建物」で、命名の仕方もややいい加減に思える。
また定義にあるように”drainage”は「下水」ではなく通常「排水」の意味で用いる。ただ日本語の原稿内でも「排水と廃水」、「上水と浄水」を混同してるケースもあり、翻訳者泣かせの分野と思われる。