「建屋」と「部材」 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

福島の原発に関連してニュースで「建屋」とか「部材」等の言葉が頻繁に使われている。これらは「臨界」等の原子力の専門用語ではないが、ともに建築関連の用語である。今回これらを取り上げてみる。


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「建屋」: 機械や機器などの設備、または原子炉やポンプなどの設備、などを収納してある建物、などを幅広く意味する言葉。読み方は「たてや」。


日本語における「建屋」「建物」の違いは「主たる収容物が設備である場合に建屋」というようであるが、工場構内で事務所(人のみ)についても建屋と呼んでいるケースもある。


英語は建屋も建物も”building”である。タービン建屋(“turbine building”原子炉建屋(“reactor building”。以下”building””office”の定義を記載しておく。


“Building”:

A building is a structure that has a roof and walls, for example a house or a factory.

「一葺きの屋根と壁がある構造物、例えば家や工場など」


“Office”:

An office is a room or a part of a building where people work sitting at desks.

「人々が机に座って働く部屋または建物の一部分」


英語の“office”は複数の人が机について働く場所を前提としていて、設備の有無は問わない。


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「部材」: 構造物を組み立てている部分品。例えば、建物における柱・梁(はり)などは構造部材、彫刻装飾・壁面装飾などは装飾部材。


工業英語を学び始めた頃は「部材」を勝手に「部品と材料」と解釈し”parts and materials”と訳して失敗したこともあった。英語では通常”member”という。


構造部材: “Structural member”

装飾部材: “Decorative member”

流離の翻訳者 果てしない旅路はどこまでも-reactor