慣用句 “red herring” | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

魚の「鰊(にしん)」の卵の数の子は正月に食べるが、魚自身はこちらでは殆ど食べない。今頃が時期らしいが「北の魚」のイメージがある。


思い起こせば、京都に「鰊蕎麦(にしんそば)」というものを出す店があったが、そんな高級(?)なものを食したことは無く、いつも「餃子の王将」「天下一品」のラーメン等を食べていた。それはどうでも良いことであるが・・・。


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「鰊」は英語で”herring”といい、「燻製の鰊」”red herring”という。これは塩漬けした鰊を長い時間燻煙処理したもので、文字通り赤茶色に変色している。因みに「数の子」”herring roe (egg)”という。


この鰊の燻製の”red herring”であるが、実は別の意味を持つ。それは「人の注意を他へそらすもの(情報)、囮(おとり)」という意味である。


元々は猟犬を訓練するために、この強烈な臭いの”red herring”が使われたが、それが後に逃亡犯などにより、自分の臭いを消して警察犬の目を眩ますために使われるようになった。これが起源である。


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英英辞典に定義があった。


If you say that something is a red herring, you mean that it is not important and it takes your attention away from the main subject or problem you are considering.

「ある人が現在考慮している主たる対象物や問題から、その人の注意を逸らすために用意されるどうでもいいような(重要ではない)もの」


Even with a major red herring, the detective cracked the case.

「大がかりな偽装工作があったが、刑事は事件を解決した」