仕事をしてて時々「今まで大きな勘違いをしていた」と気付かされることが多々ある。「ライムライト」という言葉もその一つである。
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「ライムライト」(”limelight”)と聞くと、セピア色のレトロな世界が頭に浮かび、「果物のライムのような薄い緑色」の淡い光をなんとなく思い浮かべていた。だがそれはいわゆる文系的な発想であり、大きな勘違いであった。
“Limelight”の“lime”は「果物のライム」ではなく、「石灰(酸化カルシウム)」のことで、19世紀前半の劇場では、看板役者を明るく照らすたため、この「酸化カルシウム」(”calcium oxide”)を熱してその光をスポットライトとして使用していた。
なお、石灰の「炎色反応(”flame coloration”)」は橙(オレンジ)で薄緑ではない。また、この”limelight”が現在でも「脚光を浴びる」とか「注目の的になる」の意味の慣用句に使われている。
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After writing that best seller, she has been continuously in the limelight.
「そのベストセラーを書いて以来、彼女はずっと注目されている」
He seemed to be fond of the limelight.
「彼は人前に出ることが好きなように見えた」