「ライムライト」 “limelight” | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

仕事をしてて時々「今まで大きな勘違いをしていた」と気付かされることが多々ある。「ライムライト」という言葉もその一つである。


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「ライムライト」(”limelight”と聞くと、セピア色のレトロな世界が頭に浮かび、「果物のライムのような薄い緑色」の淡い光をなんとなく思い浮かべていた。だがそれはいわゆる文系的な発想であり、大きな勘違いであった。


“Limelight”“lime”「果物のライム」ではなく、「石灰(酸化カルシウム)」のことで、19世紀前半の劇場では、看板役者を明るく照らすたため、この「酸化カルシウム」(”calcium oxide”を熱してその光をスポットライトとして使用していた。


なお、石灰の「炎色反応(”flame coloration”)」は橙(オレンジ)で薄緑ではない。また、この”limelight”が現在でも「脚光を浴びる」とか「注目の的になる」の意味の慣用句に使われている。


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After writing that best seller, she has been continuously in the limelight.

「そのベストセラーを書いて以来、彼女はずっと注目されている」


He seemed to be fond of the limelight.

「彼は人前に出ることが好きなように見えた」 


流離の翻訳者 果てしない旅路はどこまでも-limelight