私の場合、“both ends”と見ると、すぐに”make both ends meet”が浮かんで「収支を合わせる、収支内でやりくりする」のように”ends”を「収支」と考えてしまう。これは受験英語の悪影響と言える。
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“Both ends”を含む慣用句は上記のものに限らない。”Play both ends against the middle”。これはどういう意味だろうか?
この慣用句は「ゲーム」に関連するものであり、”middle”は「ゲームの媒介者(つまりディーラー)」を表わす。従って直訳すると「ディーラーを挟んで両者を戦わせる」という意味である。
これが転じて「両者を争わせることによって自分が利益を得るように仕向ける、漁夫の利を得る」という意味の慣用句になった。
なお中国の故事成句の「漁夫の利を得る」については”fish in troubled (muddy) waters”という慣用句もあるので、これも併せて以下に例文を紹介する。
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He got the other two candidates to call each other names, and he got elected. How’s that for playing both ends against the middle?
「彼は他の2の候補者が互いに罵りあうように仕向けて、自分が当選したんだ。よくもまあうまいこと漁夫の利を得たもんだ!」
It is good fishing in troubled (muddy) waters.
「混乱に乗じて得をする。漁夫の利を得る。」(諺)