田舎道などを車で走っていると、時々車に轢かれた動物の死骸を「カラス」が啄ばんでいるの見かける。ただ「カラス」自体の死骸は見たことがない。
以前誰かから「カラスは共食いする」ということを聞いたことがあるが、真偽のほどはわからない。大体「カラス」って食べられるんだろうか・・・?
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この答えのヒントになるような慣用句を見つけた。”Eat crow”・・・、直訳は文字通り「カラスを食べる」である。この慣用句、ある「戦争」の逸話に由来する。
1812年の英米戦争のとき、アメリカの将校が死んだカラスを無理やり食べさせられた。実はカラスは恐ろしく不味いらしい。(このストーリーはもっと複雑なようだがここでは省略する。)
この逸話が転じて“eat crow”は、「酷くいやなことを無理やりさせられること、自分の誤り(非)や敗北を認めること」の意味を持つようになった。”Eat boiled crow”という形で使われることもある。
同様の意味の慣用句に”eat humble pie”がある。”Humble pie”は「動物(特に鹿)の臓物で作ったパイ」のことらしいが、カラス同様食べたことが無いので味は知らない。
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I want him to eat crow, because he always doesn't admit his mistake.
「あいつには屈辱を味あわせたいんだ、だっていつも自分のミスを認めないんだから」
The parents could do nothing but eat humble pie when their spoiled child committed a serious crime.
「甘やかして育てた子供が大きな罪を犯してしまい、両親はただ平謝りするしかなかった」
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「七つの子」の素朴なカラスのイメージはどこかに吹っ飛んでしまった。