慣用句 “feet of clay” | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

聖書に由来する慣用句をもう一つ紹介する。”Feet of clay”。私は初めて聞いたが、直訳の「粘土の足」から推測できる人もいるかも知れない。


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この慣用句は旧約聖書の「ダニエル書( the Book of Daniel”)」23145に由来する。


ある大帝国の王が頭が金、体が銀と真鍮(しんちゅう)、脚部が鉄、そして足が鉄と粘土でできている彫像の夢を見た。その彫像は足元から壊れ、風で吹き飛んだ。王の預言者はその夢が、帝国の崩壊を暗示していると解釈した。


これが転じて、「現在は高い評価を受けている人物が、実はその名声を台無しにしてしまうほどの隠れた弱み(欠点)を持っていること」を示す。つまり「脛(すね)に傷を持ってること」である。


In American history, we learned many Presidents had feet of clay.

「アメリカ史を通じて、多くの大統領が知られざる弱みを持っていたことを学んだ」


やはり聖書に纏わる慣用句はやや奥深いと感じる。