和訳をやっていると時々「あれっ」と思うような表現に出くわすことがある。先日の英文では”occasion”が動詞として使用されていた。
“occasion”は動詞としては、「(人)に(心配など)を起こさせる、生じさせる」の意味で”cause”に近い。ある辞書によれば「官庁用語で普通には用いない」とあった。
契約書なのでこんな表現を使うこともあるのだろうが、英訳ではまず使わない。
以下に文例を挙げておく。
His rough behavior occasioned us much worry.
「彼の粗暴な行動をとても心配した。」
Her manner occasioned my anger. (= Her manner made me angry.)
「彼女の態度に私はかっとなった。」
His queer conduct occasioned talk.
「彼の妙な行動は人の噂になった。」
The violent fall occasioned him to bleed at the nose.
「彼は激しく転倒して鼻血を流した。」