元禄本神道祭文よりイメージした連作です。
「龍宮より使わされた羅婆天、須弥山を守護する図」
73×63cm アクリル・紙 2024年
元禄八年(1695年)戸宇村杤木家に伝わる「神道祭文」をモチーフにしています。
神武天皇以前に日本を治めた5柱の神である地神五代の神々が集まり、国を創ろうと相談した所、天照大神は「須弥山(仏教で、世界の中心にそびえるという高山)を祈り崩して海を埋め立て島にしよう」と言いました。
それを聞いた龍宮の七人の帝は「そんな事をされたら海が狭くなり龍宮の生き物たちが困ってしまう!」と悲しみ、サーガラ龍王の使わしめの「羅婆天」という鬼王の大蛇に須弥山をしっかり守るようにと命じます。
羅婆天はこの山の腰を三重に巻き付きしっかり守ったので須弥山は崩れようありませんでした。
元禄本神道祭文より
「天照大神、須弥山を祈り崩し日本国土を創出する図」
91×72.7cm 油彩・アキーラ・キャンバス 2024年
すると天照大神は「それならば干珠という玉で海の水を取り尽くし、龍宮を焼き、七人の帝を滅ぼそう」と命じます。
それを聞いた龍宮側は 急いで羅婆天を呼び戻したら、天照大神は「しじくしゃじく」という大雨風を吹かせ、万劫マンコウという魚を集めて鬼の浮島とし、それを踏みしめ祈った所、須弥山の丑寅の角が欠け落ちて無量の粟を散らした様な日本の国ができましたというお話しです。
山本ひろ子著
「呪術と神楽」ー日本文化論再構築のためにー第9回比婆の荒神神楽(二)荒神の像容(上)第六天の魔王説を読み、イメージした作品です。
「第47回人人展」
会場:東京都美術館1階第4展示室(上野公園内)
3月25日(月)~ 31日(日)
9:30~17:30 入場17時まで 会期中無休
最終日15時まで(入場14:30まで)
入場料・一般500円 学生300円(中学生以下無料)
人人展とは、1974年に 中村正義、星野眞吾、山下菊二、大島哲以、田島晴征三、佐久間桂一郎、齋藤真一により結成され、
上下関係に縛られた因習的な画壇体質とは異なる方向性を示す展覧会です。
人人会は
「人を縦でなく横に並べ人人と称してきた。私たちは新しい仲間を加え、それぞれの作家が触れている「現在(いま)」という時代をそれぞれの思考と完成によって造形化し、表現してゆこうとする集団である。」という会で、個性的な作家達のグループ展です。
今年の特別陳列は 生誕100年ー中村正義です。
同じメンバーの小品展
「小さな人人展」日本橋・不忍画廊共々宜しくお願いします。