Courtesy of Pedro Szekely
ヨハネの福音書17章では、主イエス・キリストが弟子たちに「あなたのお名前を明らかにしました」とおっしゃっている箇所があります。この「あなた」とはもちろん天の父のことです。
「天の父の名」を明らかにしたとおっしゃっているにもかかわらず、この前後にも、福音書のどこにも、「これこれが天の父の名」ですと、明示的に御子であるイエスが天の父の名を指し示している箇所はどこにもありません。これが、なかなか、謎です。
今は、父よ、みそばで、わたしを栄光で輝かせてください。世界が存在する前に、ごいっしょにいて持っていましたあの栄光で輝かせてください。
わたしは、あなたが世から取り出してわたしに下さった人々に、あなたの御名を明らかにしました。彼らはあなたのものであって、あなたは彼らをわたしに下さいました。彼らはあなたのみことばを守りました。
いま彼らは、あなたがわたしに下さったものはみな、あなたから出ていることを知っています。
それは、あなたがわたしに下さったみことばを、わたしが彼らに与えたからです。彼らはそれを受け入れ、わたしがあなたから出て来たことを確かに知り、また、あなたがわたしを遣わされたことを信じました。
ヨハネ17:5-8
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旧約聖書では、モーセに現れた「神である主」、すなわち、
ヘブライ語原典ではアルファベット表記で"YHWH"と書き表されているお名前、すなわち、
英語訳聖書のほとんどでは"LORD"と書き表されているお名前、すなわち、
一部の英語訳聖書では"Yahweh"、すなわち、
また一部の英語訳聖書では"Jehova"、すなわち、
日本語の文語訳聖書では「エホバ」と書き表されているお名前…という具合に、
アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神のお名前は、色々な書き方がなされています。
ここはヘブライ語原典に遡って、アルファベット表記で"YHWH"が、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神の固有名詞であると受け止めましょう。
"YHWH"は、モーセの十戒で「神の名をみだりに口にしてはならない」ときつく戒められていることから、母音がない子音4文字で、いわゆるテトラグラマトンで記されており、これは誰も発音できないお名前として記されています。
ユダヤ人にとって「神の名をみだりに口にしてはならない」という戒めは絶対であり、"YHWH"とヘブライ文字で書くことすら恐れ多いということで、ある時期にはモーセ五書など現在見る旧約聖書のヘブライ語原典では、"YHWH"にあたる部分を、・・・・と、4つのドットで書き表していた時代もあるとのことです。そうした歴史的な事情は、英語のWikipediaで細かく解説されています。
Wikipedia: Tetragrammaton
https://en.wikipedia.org/wiki/Tetragrammaton#YHWH_and_Hebrew_script
この項については、色々と調べて確認する必要がある事柄がたくさんあるので、少しずつ書いていきます。
なお、神の名前については、以下の投稿で、一通り資料を確認した上で、整理させていただいております。
日曜投稿:神の名。なぜ「イエスの名」によって祈るのか?
https://ameblo.jp/sasuke-memo2/entry-12530734598.html
日曜投稿:なぜ「イエスの名」によって祈るのか?(続)
https://ameblo.jp/sasuke-memo2/entry-12627630486.html
日曜投稿:「万軍の主」は「天の父」であり主イエスの名によって動かれる
https://ameblo.jp/sasuke-memo2/entry-12622984615.html