【３回目】
今週、ショッキングなツイートを読んだ。
翔平君のツイートだ。
そのツイートには、彼の車の窓ガラスが割られた写真が載っていて、車上荒らしにあっていた。
盗まれたのは、彼の大事なギター。
警報音が鳴っていたらしいが、まさか自分の車だとは思わなかったそうで、気付いた時には、もう遅かったらしい。
悪いヤツがいるものだ。
まったく、気の毒としか言いようがない。
転売が目的なら、運が良ければ戻って来るかも知れないが、犯人がそのギターが欲しくて盗んだのなら、戻って来る可能性は低い。
ノートや楽譜等が入ったバッグまで持って行ったというから、まさか顔見知りの犯行なのか？
それとも、金目の物が入ってると思い、ついでに持って行ったのか？
しかし
翔平君、今日の路上ライブはどうするのだろう？
別のギターを持ってればいいが、なければ誰かに借りてなんとか決行するか？
それとも、落ち込んで、しばらくお休みするだろうか？
ボクのギターはシールや名前ステッカーを貼ってるので、剥がすのが大変だ。たぶん転売には向かないと思う。それに、そもそもそんなに高いギターではない。
でもやっぱり、盗まれてらイヤだなぁ。
翔平君には、ホントに気の毒としか言いようがない。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
21時24分
いつもより早目に、
柏駅南口改札前通過。
二番街は、まだ誰も演ってなかった。
そして、１階ウッドデッキでは・・
翔平君は、ちゃんと演っていた。
写真は、ちょうどひと息ついてる所だが。
翔平君曰く、ソッコーでローンを組んて新しいギターを買ったそうだ。
遅かれ早かれ買うのなら、早く買った方がいいだろう。
前のギターよりは安いらしいが、それでも10万円超えのギターだそうだ。
まぁ彼の事だ。そのくらい、投げ銭で、すぐに稼いじゃうだろう。
今度は盗まれないよう気をつけて欲しいし、ついでと言っては何だが、前のギターも戻って来るように願う。
ちなみに、車の窓ガラスは保険で直せるそうだ。
ビックカメラ正面辺りでは、ダイキ君が演っていた。
尾崎豊の歌を絶叫していた。彼は、尾崎豊が得意らしい。
そして、たぶんそろそろ終了する頃だ。
その後、ボランティア活動でゴミ拾いをしてから帰るのだ。
ホントに頭が下がる。
柏Ｗデッキは、こんな感じだ。
写真の瞬間はちょっと淋しいが、実際にはもっと人通りが多い。
SOGOの写真も撮っておこう。
そろそろ解体が始まるらしく、徐々にその準備をしているようだ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
21時45分
さぁ、始めよう。
場所は、いつもの丸井側の駅寄りだ。
準備をしていると、ダイキ君が来てくれた。
柱ベンチには、誰かが置きっぱなしにした缶チューハイがあったので、それを回収しようとしたのだが、中身が残っていたので、回収しなかった。
ダイキ君曰く、
一度、空き缶だと思って回収しようとしたら、「まだ飲んでるよ！」と、ひどく怒られたそうだ。
それで、中身が残ってる缶は回収しない事にしたらしい。
そういう事なら、ボクが路上ライブ終了後に捨てておこう。
どう見ても、誰かが取りに戻って来るとは思えない。
不届き者が、わざと置きっぱなしにして帰ったただのゴミだ。
そうこうしてる間に、セッティング等々を済ませた。
本日１曲目は、
「「いつか」は来ない」
から行こう。
♪〜・・
歌い出すと、すぐに人が立ち止まり、歌詞フリップの曲名を読んでいた。
学校なんか行きたくない？
リクエストなのかよくわからないが、せっかくなので応えよう。
♪♪〜♪
頑張って下さい
ありがとうございます
励ましの言葉と、投げ銭を入れて帰って行った。別にリクエストではなかったようだ。
１曲目から成果０円を回避できて良かったのだが、５円だったのでビミョーな気分だ。
先ほど途中になってしまったので、改めて最初から
「「いつか」は来ない」
♪♪〜♪
続いて、この歌た対になっている歌
「やってみなけりゃ わかんねぇ」♪♪〜♪
チャリン！
ありがとうございます
オツリ、50円ちょうだい！
えっ？え〜っ？
歌ってる最中に投げ銭して、変な事を言って帰ったのは、日暮里さんだ。
冗談に決まってるし、まだ５円しか入ってないので、50円も持って行きようがない。原則∶
「投げ銭からオツリは出ない！」
どうしてもオツリが欲しい時は、あらかじめどこかで崩して来るか、
最低でも、アーチストが歌ってる最中ではなく、投げ銭の中身を確認出来る時に声をかけて欲しい。
それに、そこまで無理して投げ銭しなくても大丈夫だ。
気持ちだけ、有り難く頂きますので。
「投げ銭入れ」は、アーチストにとって財布と同じだ。中身は勝手に触られたくないものなのだ。
「千円入れたけどやっぱり返して！」というのも、原則NGだ。
お金を入れるフリをして、直前でやめるのは、ギリギリセーフだが、もしそんな事されたら気分が悪い。
日暮里さんは、幾らか入れてはくれるが、なぜか悪ふざけが過ぎる人だ。
続いて、
「会社を辞めたくなる時」
♪♪〜♪
あっ！こんばんわ
イラストレーターのチータさんが、顔を出してくれた。彼と会うのは超々久々だ。
いつもは、路上にイラスト作品を並べたり描いたりしてる人だが、今日は手ぶらで・・
いや、ビール片手に路上飲みしてたようだ。
ちょっと早い気もするけど、いつもの行こう
「終電なんか気にするな！」
♪♪〜♪
ありがと〜
別の若い子から投げ銭が入り、そして訊かれた。
動画いいですか？
OK！OK！
どんどん撮っちゃって
ツイッターでもティックトックでも、どんどんアップしてOK！
じゃ、改めて
♪♪〜
ど〜も〜
またヨロシク〜！
動画は、勝手に撮るのもSNSアップもOKだが、
一言言ってくれた方が嬉しいし、歌の最初から撮ってもらった方が、気分もノッて歌える。
さて、チータさんもいる事だし、新曲聴いてもらおう。
「俺の人生思ってたんと違う」♪♪〜♪
この歌、だいぶ歌い馴れてきた気がする。
続きまして〜
「音楽不用論」行こう
コレ、まだ聴いた事ないでしょう？
チータさん、音楽は必要だと思いますか？
必要〜！
じゃ、絵は？
いらな〜い！
え〜っ！？
まぁ、そう言わずに聴いて下さい
♪
音楽なんて
あってもなくてもいい〜
音楽なんて
あってもなくてもいい〜♪
そんな風に問いかけている歌だがが、
ホントはあった方がいいというニュアンスで終わらせている。
絵を描く事も同じだろう。たぶん、あった方がいい物だ。
続いて、
早目の時間帯なので、コレも歌っておこう。高校生っぽい子達も、ちらほら見かける。
「校則なんか気にするな！」
♪♪〜♪
続きまして〜
「人間だものお金は欲しいよ」
♪♪〜♪
誰も立ち止まらない時が多いが、誰か１人でもいてくれると、ずいぶん気が楽だ。
曲の合間に、世間話しなどをしたりして進める。
え〜と
続きまして〜
「俺はゴキブリ」
♪♪〜♪
終電、終電！
♪
終電なんか気にするな〜
ハイ、ハイ、ハイ！
ありがと〜う！
リピーターの若い子が集まり、掛け声を入れて盛り上がり、投げ銭も頂いた。
続きまして〜
「お酒足りないぜ！」
♪♪〜♪
ネタバラしはビミョーな感じになった。原曲の
「おぉシャンゼリゼ」に、なじみのない世代らしい。
続きまして〜
「サービス残業」
♪♪〜♪
サンキュー
またヨロシク〜！
若い子達は、去り際もアッサリしている。たぶんまだどこかで、遊んで行くのだろう。
さて次は
「まだ働いてる人がいる」
前奏間奏に、ハーモニカを入れてってみよう。
♪♪〜♪
飲み会帰り風のサラリーマン数人が、立ち止まってくれた。
曲名だけで、興味を持ってくれたようが、この歌の最後の所だった。
あっ！ちょうど終わっちゃった
え〜とえ〜と、じゃ
続きまして〜
「会社を辞めたくなる時」
あ〜っ！
コレ、俺の歌だ！
♪♪〜♪
ありがとうございま〜す！
投げ銭を頂いた。
ゲラゲラ笑ってウケていた。
この歌は、「会社を辞めたくなる時のあるあるネタ」だ。
クスッと笑える程度の感じが何度となく出て来るのだが、よほどビッタリのシチュエーションがあったのだろう。
飲み会で、会社辞めたいみたいな話題になってたのかも知れない。
１行ごとに、ゲラゲラ笑ってウケている。
そういうのを見ると、こっちも気持ちイイ。
歌が終わる直前に、ニッコリと目配せして、一万円札を入れて帰って行った。
気前の良い人は、帰り際も粋だ。
今日はもう、これで充分な気がする。
すでに上出来な成果だ。
思えば、一万円札の投げ銭は、今回で確か３回目だと思う。
１回目は、年末のボーナス時期で、その人が誕生日で、仲間とパーティーをやった帰り、浮かれた感じで勢いで入れてくれたのだ。気が変わって、一万円札を引っ込めてしまうのではないかと、内心ヒヤヒヤしてたのだ。
２回目は、市議選の最終日、候補者が視界にいる所で
「国が定める最低限度の歌」を歌うと、「政治家さんにも聴かせてやれ」と、通りすがりの人が入れてくれたのだ。
その候補者さんにも歌は好評だったが、選挙期間中は、金銭の授受はNGだそうで、投げ銭は入れてくれなかった。
急に静かになってしまったが、一万円の威力は大きい。
このあとはもう、気楽に演ろうだ。
続いて、一万円が入った思い出の歌
「国が定める最低限度の歌」
行こう。
歌詞は、悪ふざけしながらも、ちゃんと政治批判している歌だ。
♪♪〜♪
ガンバッテ！
サンキュー！
ありがと〜
ノリノリな外国人のカップルが、投げ銭をしてくれた。
政治批判のニュアンスまで感じ取ってくれたかは疑問だが、ノリノリで聴いてくれれば、まぁ、それでイイか。
チータさんも、そろそろ時間らしい。
ありがとう
またヨロシク〜！
あとはもう、
蛍の光＆終電リピートで行こう。
♪♪〜
♪♪〜
♪〜
「蛍の光」といえば、飲食店等々で閉店間際によくかかる曲。
つまりは、帰るように促す曲
なのだが、それを知らない人もけっこういるのだと、最近気がついた。
常識は、徐々に変わっていく物らしい。いろいろ変化をつけて行こう。
♪♪〜
あっ、いい歌！
俺、もう終電もうないよ
え〜っ？
どこの人？
横浜から来た
今日はもう、こっち泊まる
歌の合間に、そんな会話になる。
皆さん、飲んでご機嫌だ。
明らかに新規で、おそらく一期一会のお客さん達が、ノリノリで楽しんでくれてるのは、楽しいし嬉しい限りだ。
そのＴシャツイイね
売ってるの？
ゴメン
これだけ
前に10枚くらい作ったけど、もう売り切れで・・
以前、丸井の中のプリント屋さんで作ったのだが、そのお店は閉店してしまった。
ネットで作ってくれる所もあると思うが、どうも、ネットで発注したりするのが苦手で、なかなか作れないでいる。
ニーズはあると思うのだが・・
歌ってる最中はＴシャツ１枚でOKだったが、終わるとちょっと肌寒い、そんな日だ。
♪♪〜
23時45分
さて、そろそろ終了しよう。
最後に
「休日出勤」行こう。
♪〜
歌ってすぐに、若い子達が集まって来た。確か何回か前に来た子達だった気がする。
え〜と、
何か気になった曲ある？
ん〜と
あ〜っ！
俺の人生思ってたんと違う！
俺、コレ聴きて〜！
OK
行こうか
「俺の人生思ってたんと違う」
♪
俺の人生思ってたんと違う〜
俺の人生思ってたんと違う〜
え〜っ！？
なんで知ってるの？
前回聴いてもらってたかはビミョーだが、コード譜の歌詞をみながら一緒に歌ってくれていた。
初披露してからそんなに経ってないのに、一緒に歌ってくれる人がいるなんで、とても不思議な気分だ。
光栄な事だし、これは一種の奇跡だと思う。
まぁ、メロディーやコード進行は、他のボクのオリジナル曲に似てて、覚えやすいのかも知れないが。
♪〜♪
ヤバい！
マジくらった！
「マジくらった！」
初めて聞く褒め言葉だ。
ありがとう
えっ？
コレも行く？
OK！
自分の歌の替え歌だけど
「校則なんか気にするな！」
♪♪〜♪
最後、元歌の方を
「終電なんか気にするな！」
♪♪〜♪
ありがとう
ボクの名前オサムサバト
オサムは本名
サバトはイタリア語で土曜日
サバト〜！
土曜日の夜、
柏に遊びにきたら
またヨロシク〜！
0時07分
本日終了です
皆さん
ありがとうございました
オサムサバト
本日の成果→10907円
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
早目に始めたので、早目に終了した。たまには早く帰ろう。
片付けてる最中に、Ｈさん親娘が寄ってくれた。
この時間が、なんとか終電に間に合う時間のようだ。
翔平君達はまだ演ってるようで、シンジ君も来たし、人が沢山集まって盛り上がってるそうだ。
それなら、新しいギターの代金分、あっという間に稼げちゃうでしょう？
いやぁ、いつも集まってる子達だから
あの子達は、翔平君達の歌を聴きに来てるだけで、お金は出さないよ
そうなんだ・・
事情を話せば、少しはカンパしてくれるんじゃない？
どうだろう？
いつも賑わっていても、それがそのまま投げ銭成果になるとは限らないようだ。
ちなみにＨさん親娘は、よく食べ物の差し入れをしてるそうだ。
そめい君も、帰り際に顔を出してくれた。
残念
今日は早目に終了しちゃった
じゃ、また来週〜
気をつけて帰って下さい
片付け終わり、空き缶を捨てに行く。
ついでに、柱ベンチに置きっぱなしの缶は、中身を捨てから持って行こう。
飲み物の残りを側溝に流すと、中からタバコの吸い殻が出て来た。
なんだよ！
灰皿代わりにしてたんじゃん！
申し訳ない。空き缶は代わりに捨ておくが、吸い殻はそのままにして帰る。
タバコを吸わないボクとしては、他人の吸い殻には、触りたくもないのだ。
・・
１階ウッドデッキを覗くと、翔平君、シンジ君、名前はまだ訊いてないカホーンの人が演っていた。
何曲か、ハーモニカも勝手参戦して、
♪♪〜
そのあとは、車上荒らしのもう少し詳しい状況を聞いて、犯人像を想像したり、
もしかしたら、ギターが戻って来るかもなどと、根拠のない事を言ってしまったり・・
いつも勝手参戦してる迷惑料として、微力ながら、500円の投げ銭・・
というよりギター代のカンパだ。
じゃ、また来週〜
・・
二番街の相沢咲太君の所にも、顔を出した。イョウイチさんと、いつものコンビだ。
そういえば、相沢君の所にもよく顔を出すギターを始めた少年のＳ君は、最近全然顔を見せない。
自主練習をして、順調に上手くなってるのか、
それとも、モチベーションが下がって放ったらかしになってるか、知りたい所だ。
無理だと思ったら返せと伝えてあるが、あげるつもりで貸したのだ。焦らなくても別に構わない。
・・
せっかく早目に終了したのに、話し込んで、ついつい遅くなってしまう。
じゃ、また
コンビニで、またカレーパンでも買って帰ろう。
盗まるギターもあれば、
持ち主が荷物になるから持って帰れないと路上に置いてってしまうギターもある。
初心者の手に渡り練習の相手をするギターもある。
ギターの人生も、いろいろだなぁ。