2月特選映画コロナ編【2】★映画のMIKATA「ヤクザと家族 The Famil」★ | 流石埜魚水の【特選映画】、★映画のMIKATA★映画をMITAKA・・・

流石埜魚水の【特選映画】、★映画のMIKATA★映画をMITAKA・・・

都市生活者の心と言葉を掌にのせた小説、電脳化社会の記号とイルージョンを巡る映画、都市の孕むシンボルと深層を探るエッセイ、街の風景と季節の色を彩る短歌…。小説と映像とエッセイと短歌をブログに・・・掲載します。

 

 

 

2月5日22時にドキュメンタリー番組『RBG/最強の85才』前編が放映されたました。アメリカで27年間にわたって連邦最高裁判事の座にあってアメリカで伝統的に根強くあった性差別と戦い、数々の男女平等裁判に挑んだリベラル派の判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグのドキュメント作品でした。なかなかレンタルショップの棚に置かれてない作品で、以前より見たいと思っていた作品でした。アメリカ社会では大きな影響力を持った圧倒的に人気のあった判事でした。

 

ギンズバーグが世間と私の中で話題になった機会は3回ありました。1回目は1993年、連邦最高裁のホワイト判事引退の後任として、クリントン大統領によってギンズバーグが連邦最高裁の1人に推薦された時です。2回目は、2018年に伝記的映画『ビリーブ 未来への大逆転/On the Basis of Sex』(ミミ・レダー監督)が公開され、彼女のドキュメンタリー『RBG 最強の85才』(ジュリー・コーエン&ベッツィ・ウェスト監督)がアメリカで公開された時です。この二作品で如何に注目を浴びた判事かが判ります。3回目は、2020年9月にギンズバーグが死去しました。司法界でも保守と革新派が拮抗していましたから、直ぐに共和党のトランプ大統領は保守派の判事エイミー・コニー・バレットを後任として指名しました。アメリカ議会でも民主党と共和党は拮抗していました。上院司法委員会はトランプ大統領選挙投票前の10月26日にバレットを52対48の僅差で承認しました。尚、後編は12日のに放映されます、見逃した方は後編を観てください。今、民主党のバイデン大統領が選挙で勝利したので、余計にこの映画は観る価値があります。

 

昨今TVのワイドショーで繰り返し放送されているニュース・・・東京五輪・パラリンピック組織委員会の臨時評議員会で森喜朗会長(昭和12年うまれぬ83歳)が女性蔑視の発言をして話題になっていますが、やはり昭和初期の男には未だに日本的伝統価値の「男尊女子」の価値観を持っているのかな・・・。それとも石川県出身の男の価値感を彼も体現している「県民性」なのかな・・・。石川県出身の方のご意見をぜひ聞きたいです。日本には性差別と戦うギンズバーグのような人が居なかったのかな???まあ、まだまだ日本社会は男優位の男社会なのですーネ。会社組織だって男が多いし、女は控えめで慎ましく出しゃばるな・・・などという風潮が主流だから。特に高齢者の群れのような自民党内では、森喜朗に同調する人が大半でしょう。柔道メダリストのJOC会長・山下でさえ森喜朗の政治力で会長になったものだから、それは批判などできるわけがありません。さて、一昔前一時代前までは、女性が男の性欲を満たす道具として身体が売られていたのだから。世界中で女性の参政権を持たない国は主流でした。森喜朗のような人間が自民党の党首であり、総理大臣であったことは、日本の恥ですーネ。私もこの発言に憤慨したので、聖火ランナーを辞退にしましたWahahahahawa・・・。

 

新型コロナの蔓延を無視してまで最早オリンピック開催を強行する必要はないでしょうよ!!!スポーツが大きなお金が動くイベントとなった昨今、オリンピックは最早経済原理で動くプロスポーツの競技となりました。国民の民意はオリンピック中止を決めています。オリンピックに費やされる経費をコロナ蔓延で被害と損害を被っている市民救済のために使ってほしいものです・・・ネ!!!

 

 

今年になって映画館で初めて観ました。今年初めての映画にしては、よりによって«やくざ映画»とはまた偏っていますーネ・・・。と言われそうです。そんなにやくざ映画が好きなのかと言えば、やくざ映画の熱狂的なファンではないです。が、任侠映画大好きと言う変人もいますーネ。久しぶりの映画上映なのでチョット興味を持ちました。ただ、1960年代の高倉健が任侠として大暴れする『唐獅子牡丹』や『昭和残響伝』シリーズ、鶴田浩二のニヒルな顔がにらみを利かす『昭和残響伝』や『日本侠客伝』シリーズを懐かしむわけでもないがないですが・・・。でも,ね、藤純子主演の『緋牡丹博徒』シリーズや『緋牡丹お竜』は大好きです。最近TVの映画の時間にこんなやくざ映画は中々放送しないですね、今一度見たい作品です。日本文化の根には、日常世界の周縁にいるアウトローの底流が存在します。日本各地の霊山を信仰と修行の場とする山伏・修験道などそれですね。学生の頃には映画館で2本立て3本立ての映画館に座って、御尻が゜痛くなるまで暇な一日を呆然と過ごしたものです。残念ながら『やくざと家族』_( 藤井道人監督 )には、そんな魅力はなかったです。主役のヤクザ役・山本賢治は綾野剛、柴咲組組長の柴咲博役は舘ひろし、やくざが惚れたヒロイン工藤由香役に尾野真千子が演じる。やくざ映画全盛時代のようにヤクザの組同士の勢力争いでドンパチ拳銃を打ち合う場面も、ドスを抜いて振り回し光る刃を打ち下ろす切りあいもありません。ヒロインや堅気の衆を助ける勧善懲悪の抗争も、スカートするセリフがある訳ではありません。時代背景は、1992年に施行された暴力団対策法によって暴力団の「しのぎ」が警察権力によって圧迫され、しのぎは細くなってきた背景です。やくざの経済はお互いのパイの小さくなった縄張りをめぐってつぶし合うようになりました。街のチンピラだった山本賢治は、ある組の麻薬の売人を襲い、薬を海に捨て現金を強奪した。その仕返しに韓国行の漁船に臓器売買の目的で乗せられそうになる・・・。これを機会に柴咲組から杯を受ける。勢力を争う組織から柴咲組長がテッポウ弾に襲われ、組長の一命を助けた。そしてその報復のために対抗勢力の組員を殺害する。その為に身代わりに14年間の刑務所暮らしをする。暴力団の組員同士の殺人にしては、リアリティーがない重すぎる「刑」ですーネ・・・。

 

今までのやくざ映画とは似て非なる作品でした。義理と人情の仁義をきる伝統的な明治期のヤクザは登場していませんしー、シノギトと縄張りを廻って暴力団同士の激しい抗争シーンもありませんでしたー、株主総会で異論を抑え、株式会社のために緊急動議を力で握りつぶす企業やくざも登場しませんでした。2019年公開作品『新聞記者』がヒットして第43回日本アカデミー賞の作品賞等3冠を獲得した藤井道人監督はこのやくざ映画で「何を?」描こうとしたのだろうか・・・ナ???。

 

柴咲組組長の柴咲博役は、いかにも昔気質のヤクザらしいですね。でもあんなに優しいヤクザは今も昔も居そうにない印象を受けました・・・。確かある人が、「ヤクザはどうして命を懸ける程怖いもの知らずで強いのですか?」と問われて、妻も子供も家庭も全てを捨てて守るべきものがないからだーヨ、と答えていました。確かにそうかもしれまいな・・・。暴対法ができたことによってやくざ組織が崩壊する時代に、まさか昔気質のヤクザを描きたかった・・・とも思えないしな。娯楽映画として面白かった・・・と鑑賞できればいいのかな?

 

ネット社会の今、ネットの誹謗中傷に曝されると噂が噂を呼び、批判に飲み込まれる被害者が出現する・・・、元ヤクザの賢治、務所帰りのヤクザと同居している工藤由香母娘を巻き込んだネットの似非情報の拡散によて職場を追われ転校するストーリは、いかにも哀れで、新しいやくざ映画ともいえる場面ですね、それだけが新しいやくざ映画の要素でした。

 

 

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