8月上旬の特選映画をアップロードします。今月も掲載が少し遅れました。理由は国家試験のお勉強で映画を見る時間がなかったからです。なにせ、60歳を過ぎてから受験勉強のような問題集をコツコツやっているのですからーネ。官僚の高額待遇の民間天下りナンカ、羨ましいですーネ。

 

今回3本を映画館で観賞、今月8月は通算で7本、『ビニー/信じる男/BLEED FOR THIS 』『少女ファニーと運命の旅』『ハイドリヒを撃て』『ヒトラーへの285枚の葉書と、『ワンダーウーマン』『関ヶ原』『エル ELLE』を観賞しました。下期に選んだ特選映画1本は、『エル ELLE』でした。

今回も邦画は特に興味を魅かれる骨のある作品はありませんでした。 脱線しますがどうやら、大林宣彦監督が肺がん末期のようで、抗がん剤での治療をしながら、入院を辞退して戦争中の青春を描いた檀一雄原作『花筐 HANAGATAMI』を制作しているようです。今年冬12月16日公開を既に公表しています…。NHKドキュメントの「青春は戦争の消耗品ではない」を見て、余命半年と宣告され乍ら、映画製作に命を削って撮影現場に臨む、この映画を完成させなければ死ねない…その気迫の姿に圧倒されました。監督には太平洋戦争との深いつながりと理由があった。私はやや期待を膨らませて公開を待つています。




1

 

人間社会から孤立した孤島・セミシキラに女性だけが住むアマゾン一族のプリンセスとして生まれたダイアナが主人公のワンダーウーマン(ガル・ガドット)。王女として成長したダイアナは、女性だけの一族の女戦士として誰よりも強く逞しい戦闘能力をヒッポリタ女王の妹で、一族で最強の将軍・アンティオペによって鍛え上げられた。第二次世界戦争を想像させるフィクションナルな歴史を背景に、世界征服を企むドイツ・ナチズムもどきの「悪」と、アメリカイギリスなどの連合国もどきの「善」との激しい戦争が舞台。ある日、海岸上空で墜落事故を起こしたイギリス人スパイス、ティーブ・トレバー(クリス・パイン)が、毒ガスを開発しているドイツ軍の兵器工場からドクター・ポイズンの秘密の手帳を盗み、敵軍から飛行機で脱出するが、追っ手に撃墜されセミシキラ棟の沖合に墜落する。ダイアナはティーブ・トレバーを助け彼と共に「外」の世界・ロンドンに飛び出し、正義のために敵と戦う…。そのリアルな歴史ストーリに、本来のアメコミのワンダーウーマンのアマゾン族とギリシャ神話のストーリが合体して混ざっている。1本目は、誰よりも美しく超人間的な戦闘能力を持った女性戦士ダイアナが、ドイツの最前線に赴きドイツの毒ガス新兵器による大量虐殺を阻止するために戦う『ワンダーウーマン』(2017年、パティ・ジェンキンス 監督)でした。

 

≪アマゾーン≫の語源は、ギリシャ神話では軍神アレースとニュンペーのハルモニアーを祖とする女性だけの部族で、北方の未開地の黒海沿岸に住んでいたという。黒海はかつて「アマゾン海」と呼ばれ、実在した母系部族をギリシア人が誇張したといわれている。神話上の女性部族をスーパーウーマンとしてアメコミの主人公にして映画化したものです。

バットマンやスーパーマンなどアメコミ「DCコミックス」の中にする登場するスーパーヒーローたちの映画に、これまで時々姿を現したワンダーウーマンでしたが、今回の作品では「ワンダーウーマン」が、主人公になった。これまでは、TVシリーズで放映されてきたが、多分「ワンダーウーマン」を主人公とする映画は初めではなかろう…カナ。


私はもうスーパーヒーロなどアメコミ主人公の 映画は観ないと思っていたのですが、ついついワンダーウーマン役のガル・ガドットのスタイルと美しさに見とれてしまいました。理屈抜きで、楽しめる映画でした。
 
2

2本目は、徳川家康(役所広司)を総大将とする東軍と、石田三成(岡田准一)率いる西軍が激突した1600年10月21日の、戦国時代を終わらせる天下分け目の合戦を描いた時代劇『関ヶ原』(2017年、原田眞人監督&脚本)でした。


昨今トンと本格的な時代劇がスクリーンに登場しないですが、久々に時代劇を見ました。司馬遼太郎原作の時代劇の映画化がどうして今頃映画になるのかな…と、興味津々の反面、些か胡乱にも思いました。が恐らく、NHKの大河ドラマの「女城主 直虎」の人気の影響なのか…ナ。諸国の武士軍団が群雄割拠して勢力争いをする戦国時代、勢力と武力と権謀術策をめぐらし、日本中で刀と血が乱れる戦国時代の始まりと時代背景を描いたNHKのTV時代劇なのだが、彦根藩の藩祖となった遠州井伊谷の女領主・井伊直虎(柴咲コウ)を主人公にして、そこには、乱世の名の通った戦国武将の今川義元、武田信玄、徳川家康等が登場する。「関ケ原」でも徳川四天王の一人として井伊直政が徳川方に出ています。 


 恥ずかしながら、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」や「坂の上の雲」などは学生の頃に夢中で読んだのですが、「関が原」はまだ読んでませんでした。改めて、この映画を理解する為にこの長編時代小説をこれから読もうかな…と思わせる作品でした。とりわけ、家康と石田三成のパーソナリティーは、司馬遼太郎独特の解釈があって、戦国武将にしては三成の天下国家の安泰を「善」とする志に対して、家康の政治権力を追求する貪欲な「悪」が、映画では対照的に描かれているナ、と感じました。これは原作者の人間像なのか、監督の人間観なのか、面白いですーネ。もしも原作を読んだ人がいれば、比較してお聞かせください。


特に忍びの犬である初芽(有村架純)が三成に寄せるうぶい恋心と、戦が終わったら諸国を共に旅しようと…と、初芽を女として扱う石田三成の恋心は、戦国時代劇にしては、面白い描き方ですーネ。これは原作にあるものなのか、映画で脚色されたものなのかな、と興味を持ちました。 



もう一つ、戦国武将が馬上で関ヶ原の決戦場を駆け巡る時に、母衣(ほろ)と言う、中に竹で編んだ駕籠のような骨組に赤や黄の布を被せ、背中全体で背負うような袋を乗せている姿を始めて見ました。この映画では、徳川家康も戦いの前にこの青色の布を被せた母衣の竹かごを自分で編んでいましたーネ。敵と味方を識別しやすいよう、或は、風で膨らんだ母衣は背後からの矢を防ぐ役割をしていた、といいます。


3


夜中に突然自宅へ侵入、顔をすっぽり隠したスキーマスクを被った覆面姿の、割礼した男性に暴行されレイプされたゲームソフト会社の女社長・ミシェル(イザベル・ユペール)のレイプ事件から始まる『エル ELLE』(2016年、ポール・ヴァーホーヴェン監督、フィリップ・ディジャン原作)でした。3本目は、殺人事件になるとか、警察の犯人捜査にもならず、しかしただ単にレイプ事件に終わらず、・ミシェルは警察に通報もせず、冷静に何も無かったかのようにテーブルから落ちて割れたコーヒカップなどを掃除し、翌日直ぐに、撃退用の催涙スプレーを買い、ベットサイドに金槌や斧のような武器を準備したり、再びレイプ犯が侵入した時の対抗手段に拳銃まで備えた…。


原題の≪Elle≫は, フランス語で「彼女」を意味するようです。この映画が、何やらミステリアスでエロティックなサイコスリラーの雰囲気を持って、謎とともにストーリが展開するのは、その被害者の彼女・ミシェルが過去に、彼女の父親が復活祭に近隣ストーリートの住人を軒並み襲撃して27人を殺害するという猟奇的な殺人事件を起こし、終身刑で未だ服役中で、幼少のミシェルはその現場に居合わせ、父親の隣にいたというニュース映像が残っている…という凄惨な幼児体験をトラウマに持ていたため、警察その物に嫌悪感を抱いていたためかな…。


覆面男のレイプ犯人は、再三に彼女の家に侵入してきたが、ラストには、ミシェルと揉み合いの最中に、居合わせた息子ヴァンサン(ジョナ・ブロケ)によって暖炉のマキで頭をたたき割られ撲殺される。マスクを剥ぎ取って、結局、レイプ犯は近所に住む金融関係に努めるトレイダー・パトリキだったことが、周知となり警察に引き渡された。彼は信仰深い妻にもセックスの時には暴行を振るっていた異常性欲者だったようだ―ネ。


この作品は、フィリップ・ディジャンが2012年に上梓した小説『Oh...』を原作としている映画です。貧相な読書家である私は、ハヤカワ文庫から翻訳が何冊か出版されているにもかかわらず、初めて知る作家でした。最近文学の知識が貧弱になったなー。著者の作品は、映画公開作品としても過去に既に、『愛の犯罪者』(2013年公開、アルノー&ジャン=マリー・ラリユー兄弟監督)や『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』(1986年、2012年にデジタル・リマスター版にてリバイバル日本初公開。ジャン=ジャック・ベネックス監督)が公開されています。ただ、この作品の印象として、現実がゲームの中の虚構のように、誰かの見えない手で脆くも崩れたり、操られたりするもの…、しかしそれを再び強固に日常に引き戻すのもまた強烈な個性、あのミシェルの意志…、そこにミステリアスなエロスが絡んでいる…ということなのかな…と、感得しました。!!!「氷の微笑」のポール・バーホーベン監督だから、エロスを武器に「戦う女」を描きたかったのかな・・・。 


是非、コメントを一言お寄せください。必ずご返事させていただきます。尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…

 

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