◆映画情報
上映時間 114分/ 製作国 アメリカ/公開情報 劇場公開(ワーナー)/初公開年月 2011/04/09-
オフィシャル・サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/therite/
予告編
http://youtu.be/8J2JrM7O6tQ
◆スタッフ
監督: ミカエル・ハフストローム/ 製作: ボー・フリン、トリップ・ヴィンソン/ 製作総指揮: リチャード・ブレナー、メリデス・フィン、ロバート・ベルナッキ/原作: マット・バグリオ/脚本: マイケル・ペトローニ/撮影: ベン・デイヴィス/プロダクションデザイン: アンドリュー・ロウズ/ 衣装デザイン: カルロ・ポッジョーリ/ 編集: デヴィッド・ローゼンブルーム/ 音楽: アレックス・ヘッフェス/
◆キャスト
アンソニー・ホプキンス= ルーカス神父/コリン・オドナヒュー= マイケル・コヴァック/ アリシー・ブラガ= アンジェリーナ/キアラン・ハインズ= ザビエル神父/トビー・ジョーンズ= マシュー神父/ルトガー・ハウアー= イシュトヴァン・コヴァック/
映画館で観賞した映画は7本でした。1本目の映画は、「婚前特急」(前田弘二監督)。2本目は「ランウェイ☆ビート」( 大谷健太郎監督)。3本目は、「まほろ駅前多田便利軒」( 大森立嗣監督)。4本目は「八日目の蝉」( 成島出監督)。
5本目は「ザ・ライト~エクソシストの真実」(ミカエル・ハフストローム監督)。6本目は、「エンジェル ウォーズ」(ザック・スナイダー監督)。7本目は「ガリバー旅行記」(ロブ・レターマン監督)。私は今回ベスト特選映画に★★「八日目の蝉」を挙げ、ベター映画には、★「ザ・ライト エクソシスト」を推します。
さて、前回に続いて4月上旬下旬の映画特選を掲載します。今回は洋画だけを集めました。
5本目の「ザ・ライト ~エクソシストの真実」は、一方では、主演俳優のアンソニー・ホプキンスの重厚でおどろおどろしい演技と、暗闇が放出する得体の知れない、その恐怖の雰囲気から、どうしても『羊たちの沈黙』を初めとするレスターハンニバル博士の登場するホラー映画を想像してしまいます。他方では、「エクソシスト」(1973年)「エクソシスト2」(1977年)「エクソシスト3」(1990年)「エクソシスト ビキニング」(2004年)等のエクソシストシリーズの延長上にある、新しいカルトホラーの1本として観賞できます。
「ザ・ライト」のストーリは。神学校卒業を目前にしながら教会司祭に就こうかどうか迷っている神学生マイケル(コリン・オドノヒュー)は、恩師にローマのバチカンで開設されているエクソシスト養成講座を受けるように勧められる。悪魔の存在を疑うマイケルだったが、そこで彼は、エクソシストのルーカス神父(アンソニー・ホプキンス)を紹介され、彼の元で「悪魔祓い」の儀式を手伝うことになる。ある時に、16歳の少女の悪魔払いの儀式に立ちあう。最初ルーカスは、少女の憑依現象を精神的な病と解釈していたが、彼の身辺に次々と悪魔の仕業と思える不可思議な異変と幻影と恐怖の出来事が起きる…。
朝日新聞記者である郷富佐子さんは、『バチカン-ローマ法王庁は、いま』(岩波新書)の中で、興味深深の≪レジーナ使徒大学≫の「悪魔祓い(エクソシスト)と開放の祈り」の講座を取材しています。イタリアには300~400人のエクソシストがいて、悪魔祓いの儀式を受ける信徒は、年間数十万人にものぼると言われています。
今、エクソシストの関心が高まり、不足さえしているようです。その時代背景を…生きる意味への答えが見いだせない人々が、不安や問題の根源を「悪魔」に求める傾向があるのではないか…と、神父の解釈を載せています。キリスト教の世界の機軸も、世界観もゆれているのですね…。
6本目の「エンジェル ウォーズ」の表面上のストーリは、精神病院に幽閉された可憐な少女・ベイビードールが、施設の暗い現実から逃避するために想像の世界で、セーラー服姿と大きな瞳と金髪のツインテールを振乱して、檻に閉じ込められた5人の少女とともに闘うバトルアクションなのですが、ただ単にバトルだけを楽しませる映画ではないです。
私はこの映画の斬新さは、人間精神の自由を求める映像ー、荒唐無稽だろうが、奇妙奇天烈だろうが、精神の自由は空想の中で大きく飛翔することにあり、それを冒涜したのが「ロボトミー手術」であると痛烈に風刺している点ではないだろうか…と思います。
映画の最期で再び、空想の世界から精神病院に戻り、ロボトミー手術を受けるシーンで終ります。あの施術のリアリティーは、かつての医療の元に人間の自由を圧殺し改造した時代そのものです。
ロボトミー手術は、神経科医エガス・モニスが初めて人間の前頭葉切裁術を行った。
1949年にモニスは、ノーベル生理学・医学賞を受賞しています。日本でも1942年から1975年にかて約3万人以上の精神病患者施術が行われました。しかし、これほど残虐で非人間的な人間改造手術を扱った「ドキュメント映画」やドラマは、日本ではタブーのように製作されていません…!
7本目の「ガリバー旅行記」はスウィフトが1726年に発表した小説「ガリバー旅行記」を現代風にアレンジした映画です。特に、新聞社でうだつのあがらない郵便係として働くガリバーが主人公であることと、旅行記者のダーシーがリリパット王国に流れ着くこと等々、ストーリには現代風の新しさがあります。娯楽映画としては充分に面白かったが、とりわけ注目すべき映画ではなかったです。