Believe 2 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

カナヘイきらきらこちらは迷える仔羊の、仔羊による、仔羊のための妄想SSです。通常の甘々腐話とはちょっと色が違います。まえがきを読まれていない方はまず毛玉記事へお越しくださいカナヘイきらきら



つながる花2Believe1




Believe2/Side-S






昨日は一人だった会議室。


今日はみんなが揃って・・・、揃ってるっていうのに、

空気が重い。



副社長が来るまでの数分が、永遠にも思えた。




みんな、何かを察しているのだろう

ニノは時々智くんにちょっかい出してるけど

総体的に余計な話をすることはなく、

それぞれが静かに椅子に座っている。




俺は

さっきの雅紀がグルグルと頭を離れないでいた。




『ごめんてなんだよ、しょぉちゃん、今日のコレ、良くないことなの?!』




ごめん、雅紀。

今から副社長が伝えようとしていることは、みんなを・・・、雅紀を、きっと深く傷つける。




俺も迂闊だったし、タイミングが最悪だった。

現実(リアル)と、作られた真実・・・

芸能人生最大の罠(トラップ)に嵌められた自分に腹を立てても

抗えない大きな渦。







今から何が伝えられるのか、そして事の真相(ほんとう)を伝えられないまま

俺の隣に座って告知(その)時を待つ雅紀の横顔に

なんとも言えない、不甲斐なさが俺を襲う。




そして




時が来た。







ドアが開き、ピリッと空気に緊張が走る。





副社長の手に、数枚の紙。





「お疲れ様。

来週の月曜、発売される週刊誌にこれが載ることになりました。」





ゆっくりと話しながら



一枚一枚、テーブルに並べられていくモノクロのコピー




「えっ・・・、」




漏れた雅紀の声に、胸がズキンと痛む。




「・・・んだよコレ・・・、」




松潤の声が震えてる。




「・・・、」
「・・・。」




ニノと智くんはじっと紙切れを手に取って見つめてる。




「まぁ・・・、事実と多少違うところはあるけれど、事務所としては『良い友人関係』というところでコメントを出す予定でいるのでそのつもりでね。」




「しょぉちゃ、」
「納得いきません!」




不安そうに俺を見上げた雅紀の言葉に被せるように、松潤が声を荒げた。




「どういう事ですか!こんなの・・・っ、オレはこんなの信じない!」




パシン!と音を立てて紙切れがテーブルに叩きつけられて、




「どういうことだよ、翔さん!なんで否定しないんだよ!こんな記事出されてなんで黙ってんだよ!」




その勢いのまま松潤に胸ぐらを掴まれた。




・・・いっそ、叩きのめされてもいい・・・





俺の中である種、諦めのような境地でされるがままになる。




「・・・んでなんも言わねーんだよ!翔さん!これじゃあんまり雅紀が・・・」

「J!」
「マツジュン!」




聞いた事ないくらいに大きな智くんの声がニノの声と重なって松潤の言葉を止めた。




「クッソ!」




掴んだ胸ぐらを押し跳ねるように離されて、後ろによろけた。




「相葉がどうかしたの?」

「いえ・・・、なんでもありません。」




眉を顰めた副社長に松潤が答えると




「・・・事務所は・・・、この二人の仲を認めるってことですか・・・?」




顔を上げた雅紀が、渇いた、感情のない声で抑揚なく言葉を並べた。




「仲?・・・良い『お友達』って仲はね?そうなんでしょ?櫻井。」

「・・・っはい・・・。」




声が、掠れた。

ヤベェ吐きそう。




『じゃあ良いわね?』って、副社長がマネージャーたちを連れて出ていき、会議室にはメンバー5人が残った。