Believe 3 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。




Believe3/Side-A







「説明してもらおうか、」




さっきから動こうとしない翔ちゃんにまつじゅんが詰め寄って

リーダーとニノがおれの横まで歩いてきて並んだ。



ニノの肘がおれの肩に乗った瞬間、脳みそにジワリと血液が巡ったようにこめかみを熱く感じて

空っぽになってた胸に急に感情が戻って

夢の中の他人事みたいに眺めてた景色が現実(リアル)なんだってクリアになった。




ドクン、ドクン、




また耳の内側で鼓動が早まっていく。



翔ちゃんが・・・

あの用心深い翔ちゃんが、

あんな、不自然なほど無防備な写真を撮られるなんて。




「翔さん!」




まつじゅんの声に、ハッとする。



視線を上げると、『ごめん』って、唇を噛んでツラそうな表情(カオ)してる翔ちゃんが瞳(め)に入った。




「謝ってんなよ、マジ認めんの?

翔さん、まーの事もっと大事にしなよ、幸せにするんじゃなかったのかよ、

つーかオレら何のために今までずっとあんたらの事 隠して庇(かば)ってたの?何なの?あの写真、」




まつじゅんがガンガン聞く。

おれだって、

・・・聞きたいって思ってたけど。



翔ちゃんの困ったみたいな、苦しげに歪んだ眉毛を見てたら胸が苦しくなって。




だって、・・・あの翔ちゃんだよ?

きっと、何か理由がある、はず。

きっと、あるんだよ、ねぇ、そうでしょ?




「まつじゅ、・・・いいよ、そんなにしょぉちゃん責めないで?」


「でも まー!」

「おれは、しょぉちゃん信じてるから。・・・ありがと、まつじゅん、」




強がりじゃなくて

そんなんじゃなくて



きっと翔ちゃんも苦しんでるって思ったら、もうこれ以上翔ちゃんを責めないでって、責めちゃいけないって、そう思った。

きっと明日、発売前の情報が流れて日本獣が翔ちゃんに注目することになる。


きっと、来週には今ある情報以上のことが根掘り葉掘り、追いかけ廻されて、



きっと。



不透明な真実に憶測が憶測を呼んで虚偽の事実が独り歩きを始めるんだ。



だから、

せめて。




「おれたちは、信じよう・・・?

信じてあげよう?しょぉちゃんのこと・・・。」




翔ちゃんが、おれを見て力なく笑った。




「相葉さんがそう言うなら、それでいいんじゃないですか?ねぇ、J?」



「・・・ったく・・・。

ハァ、・・・分かったよ。

でも翔さん、これだけは答えてよ、まーのこと、裏切ってはいないんだよね?」




ニノの助け舟でまつじゅんが翔ちゃんから少し離れた。




ウラギッテハ

ナインダヨネ・・・?




まつじゅんの言葉に、みんなが静かに翔ちゃんを見つめる。



翔ちゃんは、

キュッて唇を結んだまま

おれの目をまっすぐに見て手を伸ばして



おれの腕を掴んで引き寄せた。