雅楽体験授業記 | ささのブログ

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5月6日にNHKで放送された「きゃりーぱみゅぱみゅセンセーション!世界が興奮・ワールドツアー密着ドキュメント」を見た。先月のブロードウェイライブを中心に、密着取材を含めた、ファンには永久保存版のドキュメント。私も昨年のブログで、きゃりーぱみゅぱみゅの天才性を書いたが(きゃりーぱみゅぱみゅとテクノポップhttp://ameblo.jp/sasamototopics/entry-11412549287.html 参照)、やはり彼女はワールドクラスの天才アーティストだと実感。アメリカの大物プロデューサーもぞっこんなのだから、あっという間にレディー・ガガと肩を並べるようなレベルに行くんじゃないか。


昨日は取手の高校で雅楽の体験授業をしてきた。この高校で体験授業をするのは今回が3回目。とてもきれいな校舎で、制服もかわいいので、私立高校だとばかり思っていたが、県立高校だった。過去2回の記憶のなんといい加減なことよ。


他の講師と9時半過ぎに取手駅に待ち合わせしたが、学生時代に住んだ街を歩いてみたく、1時間早く着いて散策、懐かしい街を歩いた。「懐かしい」はずだった。ところが、取手駅周辺は大規模開発により道路自体も変わっていて、懐かしさがこみ上げてこない。四半世紀前の記憶を蘇らせてくれるモニュメントがことごとく消えていた。3年間住んだ寮は解体されて久しく、かろうじて建物のあった小高い丘と寮に入るための道路の跡だけが残っていた。だが、この場所も再開発により複合施設が建てられるそうだ。


ごちゃごちゃと細かい店が立ち並び、3軒のスーパー(デパート?)が競合し、週末には買い物客で賑わっていた取手駅周辺は、整理された太い道路に新築の高層マンションが立ち並ぶ、さびしいほどにすっきりしたベッドタウンになっていた。四半世紀前、東急が駅前に大きなデパートを出店した。そのあおりを食って、小~中規模店を営業をしていた西友が撤退した。現在、その東急は撤退して、あらたな店主には西友が入っている。


さて、雅楽の体験授業。この高校には、茨城県に2校しかない音楽科がある。その音楽科3学年を対象に、笙・篳篥・龍笛の、雅楽で使う3つの管楽器のワークショップをしてきた。生徒は、3つの管楽器のいずれかを事前に選択していて、各楽器に分かれたところから授業開始。1時限50分のうち、最後の10分は全員集まっての成果発表と合奏なので、各楽器の体験時間は40分弱。たったそれだけの時間で「越殿楽」の1行目を歌って演奏出来るようにするのが課題。


通常、2ヶ月くらいかけてやる内容をたった40分でやるのはかなり無謀だが、この様な体験授業はしょっちゅうやっているので慣れている。しかも、受講するのは普通の高校生ではない。音楽の才能に秀でた音楽科の生徒だ。あとは、講師が40分という時間を、効率よく使えるかどうかが鍵となる。


最初に3年生、次に1年生、最後に2年生が受講。どの学年も、きちんと歌えるようになり、演奏もある程度は仕上がった。中にはほとんど音が出せずに終わった生徒もいるが、それはそれでいい。今まで優等生を貫いてきた音楽で、挫折を味わうのもいい勉強だ。


各学年1時限を3学年やったので、ここまでで3時限。最後に、全学年が集まって、講師による雅楽の説明と演奏。楽器や音楽の説明に、多くの生徒が熱心にペンを走らせていた。最後の質問コーナーでも5人ほどから質問の手があがった。これは日本では珍しいことだ。


日本人が留学した際に困るのが、母国のアイデンティティーの欠落だそうだ。歌や楽器でヨーロッパに行った際に、あなたの国の音楽を聞かせて、と言われて何も出来なかったという日本人は多い。この日、雅楽体験を受講した高校生の中で、海外に留学する人も出るだろう。異国の地で、あなたの国の音楽を、とリクエストがあったときに、越殿楽の歌でも歌ってくれれば最高だ。