2024年7月6日の『やさしい夜遊び』で初披露された
サザンオールスターズの新曲「ジャンヌ・ダルクによろしく」ですが……。
はっきり云って、「恋のブギウギナイト」よりずっとアタシ好み。
ライブで早く聴きたい!!
桑田さんソロの「黄昏のサマー・ホリディ」「地下室のメロディ」で
培われた「英文字で月並みな日本語を新鮮にさせる」手法が全開で
(『やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん』新潮社、2012年、119頁参照)
「時代遅れ」の「平和」を追求する歌詞は桑田さんの真骨頂ですし、
今回の題名に使わせていただいたお言葉は
「アタシが選ぶ日本の三大名曲!!」不動の「アンパンマンのマーチ」にも通じますし。
そして何よりうれしいのは、「唐人物語(ラシャメンのうた)」について綴った記事で、
唐人お吉という人について、桑田さんと新渡戸稲造博士ともに
敬意を示していたことを徒然なるままに書かせていただきましたが、
→後ろゆび指す ひとりひとり | JIROのブログ (ameblo.jp)
ジャンヌダルクもまた、新渡戸博士が敬愛してやまなかった人物なのであります。
恵泉女学園の創立者である河合道が『新渡戸博士追憶集』(1936年)で述懐しているのは、
「「女の笑の裡には涙があるよ、彼等の一生は血で綴らるゝ事が多いね」と、
眼を瞬いて談られたことなど幾度と数へられまい。
この同情と理解が先生をしてジャンダーク崇拝者、唐人お吉讃美者
たらしめたのは当然のことである。」(98頁)であり、
新渡戸萬里子夫人(佐藤全弘氏訳)は「ジャンヌ・ダークと新渡戸博士」という主題で
クエーカー教徒である新渡戸博士は「英雄崇拝者」かつ「相当の神秘家」であり、
国際連盟在任中の日記にはジャンヌの生涯をわかりやすく伝えるべく、
小説の形式にしたらいいか、といろいろ構想を練っていたようです(450頁参照)。
そして萬里子夫人は「彼女の精神の快活は決して彼女を見捨てなかった」という
言葉を引用して、ジャンヌダルクに対するご自身の見解を述べておられます(451頁参照)。
博士が神棚に祀っていた4人がキリスト、ソクラテス、リンカーン、
そしてジャンヌダルクでありました。
佐藤全弘氏によると、札幌農学校在学中に聖女として祭り上げられる
以前のジャンヌダルクについて崇拝していたとのことです。
(『開いた心をもとめて』(財)新渡戸基金、2006年、237頁参照)
彼女が聖女となったのは第一次世界大戦後で、火刑になってから
500年ほどの時間を要している、と佐藤氏は記載しています。
長々と述べて参りましたが、今回も特段何が云いたいわけでもございません。
えもいわれぬ高揚に任せてとりとめもなく述懐してきましたが、
「言葉言葉に愛をしたためて」いたのは間違いなかったと思います。