歌いつがれ踊るボレロ 妄想花萼シリーズその1 | JIROのブログ

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「話しの中身がどうなれこうなれ気持ちも知らずに」だべっていくと思いますが、他人様を傷つけることのないようにしていきたいと存じます。

特撮テレビドラマ『仮面ライダー』シリーズを通じて、

1番知名度がある怪人、といえばおそらく、

 

イカデビル及びショッカー戦闘員(骨戦闘員)でありましょう。

 

前者は『仮面ライダー』68話で

天本英世さん演じる死神博士が「変身」した姿であり、

 

平成に入ると様々なテレビコマーシャルで

仮面ライダー1号と共演し、

 

『仮面ライダーディケイド』劇場版では

石橋蓮司さんが「大ショッカー」大幹部としてやはり「変身」し、

 

『スーパーヒーロー大戦Z』では「スペースイカデビル」という

戦闘能力をさらに強化した怪人が登場しております。

 

「再生怪人」としては数え切れないほど出演していることでしょう。

ただし、いずれにしても強敵として描写されている一方、

 

死神博士の人格はどこへ行った?という疑問が生じるのは事実です。

 

そこでこんな仮説を立ててみました。

「ショッカー在籍時のイカデビルはまだ未完成だったのではないか?」

 

 

と云うのは、この記事でもチラリと触れましたが、

妖艶OVERDOSE | JIROのブログ (ameblo.jp)

 

ショッカー首領(デルザー軍団“大首領”)は

幹部同士を小競り合いさせるのが大好きです。

 

『V3』では結城丈二とヨロイ元帥が、

『ストロンガー』ではジェネラルシャドウと百目タイタン(デッドライオンも)が

そんなことをやっていました。

 

『仮面ライダー』でも、死神博士がショッカー日本支部に

ナマズギラーを提供するためかつての居城に戻ってきた際、

 

「わざわざ南アメリカからこの日本においでになったということは、

ショッカー日本支部にとってまさに鬼に金棒、と云いたいところだが、

この地獄大使ひとりでは日本征服に力が不足、ということかな?」

 

哄笑する地獄大使を黙殺して、でも不服そうに配下の戦闘員へ

「土産物をお見せしろ」と命令を下す死神博士、という演出は

 

毎日放送の廣瀬編成局長がことのほか絶賛したそうであります。

(講談社オフィシャルファイルマガジン

『仮面ライダー特別版02』2005、10頁)

 

 

このふたりは上述のように反りが合わないこと甚だしいのですが、

 

有力支部の幹部を集結させて

仮面ライダー1号を誘き寄せる計略の失敗(67話)や

映画『仮面ライダー対じごく大使』での

戦略兵器「スーパー光線砲」を破壊される、など

 

地獄大使が立案したであろう大規模な作戦が水泡に帰したことで、

死神博士は本郷と地獄大使の両者から受けた屈辱を

一挙に晴らす時機がついに訪れた、と判断したのではないでしょうか?

この局面で仮面ライダー1号を抹殺することで権勢を取り戻すことに。

 

おそらくはショッカー首領も「最後のチャンスだ」と

いうふうな指令を出していたことでしょう。

 

「ショッカー黄金ベルト」を装着した「強化怪人」第1号ギリザメスは

死神博士が執刀したという公式設定はないものの、

 

イカデビルの特殊能力「キック殺し」が同じく搭載されていることから

「試験体」という印象を受けます。

(本当の「台所事情」は ひょうたんからこま | JIROのブログ (ameblo.jp) にて)

 

 

そして先程、「ショッカーのイカデビルは未完成」と申し上げましたが、

 

①    「隕石を自在に操り」とされる割に照準の精度がかなり低い

②    腕っぷしでゴリ押しする傾向があり、戦法が死神博士っぽくない

③    弱点の頭部を防護する機能が弱い……おやっさんの稽古でかなり効いていたし

④    ギリザメスやサイギャング(これははっきり死神博士製作)を破った

「ライダーきりもみシュート」で倒されている、その対策がない

 

などの点が垣間見られ、雪辱を晴らすための時宜に間に合わせるために、

かなりの突貫で自らの改造を行ったのではないでしょうか?

 

『キカイダー01』では瀕死状態にあるプロフェッサー・ギルの脳髄を移植した

「ブラックハカイダー」(いわゆるギルハカイダー)が

ギルでもない、サブローのものでもない「小悪党」になって

しまっており、②と同じような状態がやはり見られます。

 

それらの弱点は死神博士自身もある程度気づいており、

欠陥をなんとか穴埋めするために(特に④)

立花藤兵衛を脅迫して特訓を行わせたとも思えます

(結果的に墓穴を掘ることになりますが)。

 

 

そして、死神博士本人が企図していたであろう戦闘能力を遂に発揮したのが、

『仮面ライダーディケイド』での大ショッカー要塞決戦なのではないかな、って。

 

仮面ライダーファイズ、仮面ライダーブレイド、仮面ライダー電王、仮面ライダーキバら

6人相手でも「イカ爆弾」を駆使してまったく寄せ付けない強さを見せつけております。

 

『正義の系譜』では「小規模なワームホールを抑留して隕石の命中率を向上させる」という

描写があり、これをさらに発展させたのが劇中の「イカ爆弾」なのでしょう(多分)。

 

『MOVIE大戦2010』では「ミュージアム」の技術によって製造された

「死神博士ガイアメモリ」で光栄次郎が変身させられたのが

「スーパー死神博士」と設定されているため、

 

死神博士の本懐は37~38年後にようやく達成されたといっていいのでしょう。

恐らくショッカーが保持していた先端技術をもってしても死神博士の設計を

完全に実現するのは難しかったのだと思います。

(『1971――1973』では1971年時点で携帯端末や量子演算機が登場している)

 

 

ただ、「イカゲソ~」だの「イカでビール!!」だの、

死神博士の知性は再現できなかったようです(笑)。