ひょうたんからこま | JIROのブログ

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「話しの中身がどうなれこうなれ気持ちも知らずに」だべっていくと思いますが、他人様を傷つけることのないようにしていきたいと存じます。

特撮テレビドラマ『仮面ライダー』シリーズ。

 

今や押しも押されもせぬ人気番組になっておりますが、

 

最初の『仮面ライダー』について云えば、

 

こんな裏事情があってよく98回も放映できたもんだ、と

驚かされます。

 

平山亨プロデューサーや生田スタジオの内田所長、

脚本家の皆様による企画力や柔軟な発想、臨機応変さによって

 

今だったら絶対打ち切りになっているだろうな、という状況を

乗り越えてきた底力には頭が下がります。

 

そして「瓢箪から駒」ではありませんが、乾坤一擲の

決断がたいていはいい方向に転がったんだな、ということも。

 

 

藤岡弘、さんが重傷を負ったことにより、

 

佐々木剛さん演じる一文字隼人・仮面ライダー2号が登場、

 

洒脱さを備えたヒーローとして番組の人気を押し上げていくことに

なったのは周知の事実ですね。

 

『ちびまる子ちゃん』でも、まる子が一文字隼人のカードを

欲しがって「仮面ライダーチップス」を購入するものの、

 

ショッカー怪人カメストーンで落胆するオチがありました。

 

 

他には、藤岡さんが急遽出演できなくなった時期に、

 

死神博士の怪人態として設定していたギリザメスを

 

前倒しで登場させ、天本英世さんはイカデビルに変身した、という

 

のもありましたが、大幹部が「変身」する素体を広範に探すことができ、

 

さらに意外性を強調するのには結果的によかったのではないでしょうか?

(まあ、『仮面ライダーディケイド』以降の

「リ・イマジネーションイカデビル」が「お笑い担当」なのはちょっと、なんですが……。)

 

劇場版第2作の悪玉だったカミキリキッドを先行して登場させた

 

66話も、地獄大使の人物像を掘り下げる上では

(「悪魔祭り」による怪人の蘇生、

「特訓」する面々を笑顔で「やっとるな」と激励する、など)

 

やはり「結果的に」面白かったとアタシは思うので。

 

 

忘れられないのは、千葉治郎さんがご自身の結婚式にあわせて

どうにかこうにか休みを貰えたことにより、

 

小林昭二さんがその折節の役割を担当することになったのですが、

 

何を隠そう、アタクシが『仮面ライダー』全98話で最も好きな光景が、

 

第83話における立花藤兵衛の活躍なのであります。

 

あそこは滝和也でもよかったんでしょうが、

おやっさんの大立ち回りが本当にカッコよくて。

 

 

強豪怪人イノカブトンによって重傷を負わされたことにより

 

「最大の武器」である脚力を発揮できない仮面ライダー1号。

 

しかもゲルショッカー部隊だけではなく、

 

理性を失って「殺人鬼になる」ガスで操られた一般市民も

襲い掛かってくるのです。

 

絶体絶命の危機を救うのが、そう、おやっさん。

 

ゲルショッカー戦闘員の短剣を構えるなり、

 

自由の利かない身体に鞭打ってイノカブトンの角を

叩き斬るのです。

 

「見損なうな……。悪魔に魂を売る俺と思うか!」

という啖呵に恰も怯んだというふうにイノカブトンが敗走していき、

 

そして倒れ込みそうになりつつも、

「俺は大丈夫だ……。行け!!」と本郷猛を叱咤する

強靭な意志、

 

こちらの二次創作でも引用させていただいております。

 

 

 

 

この描写があって、立花藤兵衛は

『仮面ライダーストロンガー』までの連作で

(『(新)仮面ライダー』でも平山氏からの出演依頼はあったが、

役者としてのこだわりから小林さんが固辞した)

 

そして『仮面ライダーSPIRITS』や

和智正樹さんの『仮面ライダー1971――1973』などの派生作品でも

大活躍する存在になれたのではないか、と思います。