10号ライダーである、村雨良・仮面ライダーZXについて、
ゲルショッカーの技術を用いた試験体「コードネーム THE CROSS」
https://ameblo.jp/sas9791/entry-12856842676.html
なる、稲垣先生の説を盗用した記事を書きましたが(笑)、
考えてみるとゲルショッカーというのも謎が多い組織であります。
特撮テレビドラマ『仮面ライダー』第80話で本格的に始動した組織
(先鋒であるガニコウモルは78話から暗躍)であり、
この話でガニコウモルが粛清を逃れようとする
ショッカー戦闘員を惨殺する演出は
なかなか衝撃的なものであります。
講談社オフィシャルファイルマガジン『仮面ライダー特別編02』
(2005年)の記述を参照すると、
「新組織への忠誠を検分することなく、ショッカーの一員で
あったという事実だけで無条件に抹殺する
冷酷極まりない処断」(6頁)でありますが、
92~94話で大暴れした「ショッカーライダー」6体は
ショッカーの技術陣でないとまずもって作り出せないはずなので、
79話の「ショッカーギロチンによる処刑という口実で
地獄大使自らが少年仮面ライダー隊内部に潜り込み
立花藤兵衛らを拉致する」捨て身の作戦と考え合わせて、
「用済み、と判断された面々を見せしめとして始末し、
優秀な人材を統制すると同時に、ショッカー内に潜入していたで
あろう間者を見つけ出すための手段」だったのではないか、なんて。
上述の作戦が功を奏していれば、地獄大使は
ゲルショッカー最高幹部として迎え入れられていたことでしょう。
ショッカー首領(アタシの二次創作ではデルザー軍団“大首領”)は
幹部同士の内紛を誘発するのが大層好きなようで、
『仮面ライダーV3』でも結城丈二とヨロイ元帥の諍いを
あえて容認していたフシがあります。
『仮面ライダーストロンガー』ではデルザーの精鋭である
ジェネラルシャドウによる「クーデター」によって、
それなりの戦力(言い換えれば利用価値)を有していたであろう
「ブラックサタン」(やはり“大首領”麾下の組織)が壊滅しております。
アタシは人間の「負の感情」が“大首領”が進化を遂げる糧になる、
というふうに設定しましたが
(『ウルトラマン』サーガの「マイナスエネルギー」、
『STAR WARS』の「暗黒面のフォース」のような解釈)
ドクロベエ様の「おしおきだべ~!!」のように
単なる趣味である可能性も捨てきれない(笑)。
そうそう、ゲルショッカーの話だった。
公式設定では「コンゴ川上流の奥地で暗躍していた
秘密宗教組織「ゲルダム団」と手を組み」(同、6頁)となっておりまして、
『V3』の「キバ一族」や「ツバサ一族」、
『仮面ライダーアマゾン』の「ゲドン」などと同様、
“大首領”が目をかけていた一派であったと思われます。
そして上述の「密教的一団」同様、機械による改造手術ではなく、
「遺伝子組み換え」や薬品などによって「怪人」を生み出す
何らかの技術を研究していたのでしょう。
そもそもゲルショッカー戦闘員たちが「ゲルバー薬」なる秘薬で
人体の限界ギリギリの運動能力を手にしております。
(その代償として、3時間ごとの摂取が前提条件)
『仮面ライダーSPIRITS』では大幹部ブラック将軍が
「怪人の幼体」に血液を注入することによって成長・
兇暴化させる描写があります。
そうして生み出された成員に、ショッカーで培われた
ハイテク兵装(ガラオックスの「ミスティガス」、
ウツボガメスの「殺人スモッグ」など)を搭載したのではないか?
というのがアタシの想像です。
「コブラハンド」を強化したカナリコブラや
貫通力に特化する嘴を添加したネズコンドル2号なんかは
極端な例ですね。
『正義の系譜』では、イソギンジャガー、サソリトカゲス、
ヒルカメレオンが「ヒトの文明を忌避する」組織であるはずの
「ゴルゴム創世王」候補だった「邪眼」の魔力によって戦闘力を大幅に強化しており
(その代わり、理性は抹消されている)
何らかの機械による処置は最小限度だったのではないか、と思わされます。
ブラック将軍はロシア帝国の将校だったとされており、1972年時点では
相当の高齢に達していたはずが外見はまだ若々しく、
(演者である丹羽又三郎氏が当時38歳)
少なくとも老化の遅延(もしくは停止)という処置は可能だったのでしょう。
もしかすると、ヒルカメレオンの
「擬態によって秘密裏に逃れる」能力でソビエトを離脱し、
「吸血による怪人の復活」は自らの延命にも用いていたのかもしれません。
で、冒頭に述べた仮面ライダーZXとゲルショッカーの関係ですが、
ゲルダム団が保有していた「秘術」的な怪人固有の能力を、
最先端の機構によって再現しようとする「実験体」だったのではないかな、って。
光学迷彩……ヒルカメレオンの擬態
マイクロチェーン……クモライオンの粘着糸・クラゲウルフの放電
虚像投影装置……ナメクジキノコの「変身」と隠密性
電磁ナイフなど内蔵兵装の充実……ネズコンドル2号の「隠し球」
頑丈さや自己再生機能……「弱点が存在しない」ガニコウモルの反則ぶり(笑)
とか。