政府が国民のお金を完全に自由にすれば、弱い国から強い国に通貨は流出し、経済が崩壊してしまうリスクがある。
そこで考えられるのは資本規制の導入による国民のお金から自由を奪う政策だ。
しかし、お金が自分の意思で勝手に動くことはない。
お金の自由を奪っているのはそれを所有している人間の意思にちがいない。
意思がコントロールできれば行動は起きないので、規制の必要もない。
今のところ日本国民のお金にはまだ自由があるにも関わらず、主に高齢者が銀行に預金しているお金をほとんど動かす意思をもたないので、資本規制も不要である。
資本規制とは、資本の流入や流出を制限する政策で、短期間で大量の資本が国外に流出するのを防ぐものだ。
- 資本流出規制:企業や個人が国外に資金を移動する際の制限を設ける。例えば、国外送金に対する上限を設定したり、特定の許可が必要にするなど。
- 為替取引の制限:外貨の購入や海外送金に対する制限を設けることも効果的。これは外国為替市場への介入を伴うことがある。
上記のような規制が発動したときには、今までのように政府は国民の意思をコントロール出来なくなったとうことの証明であり、その時にはもうお金の自由は強制的に奪われることとなるだけだ。
実際には、銀行から大量の現金を引き出すことや、海外送金することは、上記のような資本規制のない現在であっても、実際にやろうとするとそう簡単ではない。
いわゆる、犯罪や詐欺防止という名目で銀行が網を張っている「見えない資本規制」によって、知らず知らずのうちにお金の自由は奪われている。
その難しさと不自由さに気付くのは、それを動かそうとしたときだけだ。
そしてその理不尽な難しさに愕然とすることだろう。
いよいよあと1ヶ月で、新紙幣が流通し始める。
1ヶ月後には旧紙幣となるタンス預金の海外流出を止める為にも、メディアを巧みに操った「旧紙幣は使えますよキャンペーン」が展開されている。
財務省は、旧紙幣の価値を保証しているが、市場で店舗などがそれを受け取るかどうかは、旧紙幣の受け取り拒否をすれば罰せられるというわけではないので、受け取って貰えないケースは当然出てくるだろう。
私が現金払いを受け付ける店舗であれば、7/3移行は旧紙幣での支払いはお断りするだろう。
「銀行で両替して持ってきてくれ」とお願いする。
お金に自由意志がないというのは、政府にとって本当に有り難いことだ。
人間の意思と関係なく勝手にお金が動くことはなく、人間の意思はコントロールすることも、その意思に基づく駆動を規制することも可能だから。
「あなたのお金には自由があるのだろうか?」という疑問は、「あなたには、あなたのお金を自由に動かそうという意思があるのか?」と問い直さなければならないのかもしれない。