最近「大腸がん」で亡くなられる有名人が多いせいか、世の中はなんとなく「大腸がんブーム」的空気に包まれている。
確かに高齢者にとって癌という病気は恐ろしい。
そしてその多くが「大腸がん」で死ぬと思うと、大腸がんは怖い。
私も、柳沢きみおさんの「大市民 がん闘病記」を読み始めて怖くなり5年ぶりに大腸内視鏡検査を受けたものの、切除した10mmのポリープ跡からの出血が止まらず、貧血でぶっ倒れるという経験をして、何をやっているのか分からなくなった経験をした。
きっと、大腸がん検査で死ぬひとも居るんだろう。
出血性ショックの恐ろしさを経験した | Mr.Gの気まぐれ投資コラム
7月23日に亡くなった直木賞作家の東野圭吾(68)さんの死因も大腸がん。
「ダウンタウン」の松本人志さん(62)も大腸がん切除手術を受けて退院し、闘病中。
そして9月1日には、女優・中村ゆりさん(44)が9月1日に直腸がんのため死去した。
特に、中村ゆりさんは、2019年に放送された日本生命のCM「笑顔が大好き篇」に出演していおり、病と闘うシングルマザー役を好演していたこともあり、そのインパクトは大きかった。
ニッセイのことは好きではないが、このCMは心を動かされる良い作品だと思った。
しかも、がんで亡くなられた中村さんが演じていたという事実がよりこの作品に重みを増している。
2023年に亡くなられた坂本龍一さんも、2015年に54歳で亡くなられた俳優の今井雅之さんも、大腸がんだった。
著名人を次々に襲う大腸がんは、いったいどんな病気なのか?
国立がん研究センターによると、大腸がんとは大腸表面の粘膜から発生する悪性腫瘍の総称だ。
大腸は消化管の最後尾にある長さ1.5~2メートルの臓器で、主に水分を吸収して便の形を作る役目を果たし、最大で1日6リットルの水分を吸収できるとされている。
大腸は大きく結腸と直腸に分けられ、結腸は更に盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分けられる。大腸がんの中でも、日本人は直腸がん、S状結腸がんが多いとされ、次いで上行結腸がん、直腸S状部がん、横行結腸がん、盲腸がん、下行結腸がんの順になる。
罹患率は50代から年齢が上がるにつれ高くなり、男性の方が女性より罹患率、死亡率ともに約2倍高い。2018年には発生部位別のがん死亡者数の死因のうち、男性で3位、女性で1位と上位を占めている。
大腸がんの主な原因は「大腸ポリープ」で、がん化前に除去することが重要だとされている。
全てのポリープががん化するわけではないが、早い段階で除去することが最善の方法だということだ。
そして、「大腸がんの5年生存率」はステージIで92.3%、発見が遅れてステージIVになると18.3%と、早期発見できるかどうかが命の分かれ目となる。(国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計」院内がん登録2014-2015年5年生存率より)
国立がん研究センターが公表している2020年の大腸がんの死亡数の順位は、男性で3位、女性では1位となっており、多くの日本人が大腸がんで命を落としていることが分かる。
それではなぜ、日本人の大腸がんが増えているのか?
大腸がんが増加している最大の原因は、主に食の欧米化と生活習慣の変化とされている。
• 高脂肪・高カロリーな食事:赤身肉(牛肉、豚肉など)や加工肉(ベーコン、ソーセージ、ハムなど)、動物性脂肪の過剰摂取は、腸内で発がん性物質を作り出す原因となる。
• 運動不足と肥満: 運動不足は腸の動きを鈍らせ、発がん性物質が腸内に留まる時間を長くする。
• 多量飲酒:アルコール自体が発がん性を持つほか、飲酒によって体内でアセトアルデヒドが発生することで、リスクが高まる。
• 喫煙: 大腸がんの明確なリスク要因。
・高齢化 : 大腸の粘膜は年齢とともに遺伝子の傷が蓄積しやすくなり、高齢になるほど罹患率や死亡率が上昇するため、人口構造の高齢化も死亡者数増加の原因と考えられる。
前向きな対策としては、とにかく早期発見しかないようだ。
大腸がんは、多くの場合、大腸ポリープという良性の病変が時間をかけて(5〜10年)悪性化して発生する。
この「ポリープ」の段階、あるいは早期の段階で見つければ、内視鏡で切除でき、ほぼ完治が可能だと医者は言う。
初期には自覚症状がほとんどないため、気づいた時には進行していて手遅れというケースも少なくないと脅される。
このブームに乗っかると、とにかく「大腸内視鏡検査を定期的にやった方がいい」と多くの人が思うに違いない。
検査も病院も大嫌いな私でも、飲酒と喫煙が止められず、高コレステロール食好きなので、検査を怠るべきではないと友人には勧められるし、自分でも不安を感じずにはおれない。
しかし、冷静に癌という病気の本質を考えてみると、癌の発生原因というか、常に体内に発生し続けているがん細胞を抑制し続けることが可能な抗体や免疫力が衰えない為の何か根本的な対策ができていなければ、早期発見のために毎年検査を続けて、ポリープを取りまくっていてもいずれは何らかの癌で死ぬことになるのは避けられないのだろう。
「癌の早期発見に為には、とにかく検査を!」というキャンペーンは、理にかなっているようで、実は病院にとって負担が少なく儲かる検査をもっと広めようと不安を煽っているとも言える。
今回の「大腸がんブーム」は、高齢者にとって最も気になる健康上の話題の中で、「死に繋がる大腸がんが大流行」というニュースは、「日銀の利上げ」や高市政権の「内閣改造」など、致命的に炎上しそうなもっと深刻な問題から国民の気をそらすには都合の良い話題だったということになるのだろう。
台風被害の報道を観ていてもそんな気がしてしまうのは、私が単にひねくれているだけなのかもしれないが・・・。
それほど、世界は深刻な問題に突き当たっていて、人類や国のリーダー達は無力で何もできないのかと思い知らされる。











