知床遊覧船沈没事故に思うこと | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

実は7年ほど前に私はあの船にたぶん乗っている。

(それがKAZU1なのかKAZU3だったのかは分らないが、雰囲気的には同じタイプの船だ。)

 

その日も天候は悪く、雨も降っていたが幸いにも波は高くなかったようだ。

 

 

残念ながらお目当てのヒグマちゃんには出会えなかったが、無事に帰港することはできた。

 

今回の沈没事故は、かつて同じ船に乗ったことがある人にとってはより衝撃がキツかっただろう。

 

その時は、運営会社も船長も今回とは違っていたのだろうが、もしかすると自分も遭難していたかもしれないと考えるとゾッとする。

 

こういった事故というのは、予想しにくいものだ。

 

しかし、事故が発生した原因は必ずどこかにあり、それが天候判断なのか、船体トラブルなのか、機材トラブルなのか、沈んでしまった船を引き上げてもその直接的原因の追究は難しいのかもしれない。

結局、その日に船を出してしまった運営会社の管理責任を追究するしかない。

 

運行会社の危機管理のいい加減さがクローズアップされた今回の事故だが、特に危険を伴う観光ツアーやレジャー・エンターテイメントに参加するにはそれなりの覚悟が必要だと感じた。

 

自分の安全を自分で確保できない状態というのは、その可能性を想像しただけで恐ろしいが、観光やレジャーだけでなく、普段の生活においても我々は生きていく上で自分や家族の生命の安全を他人に委ねすぎていることに気付かされる。

 

ヘリコプターやセスナのツアーやスカイダイビングとかバンジージャンプとかジェットコースターとか明らかに怖いヤツはもちろんだが、普通に乗っている公共の電車とかバスとかも案外怖い。

タワマンに住むってのも怖い。

結局なんかあったら、委ねた相手の過失を追究するしかないが、なんか起こってしまったあとでは自分は死んでしまっているかもしれないので意味がない。

個人的には病院とかも相当怖い。

考えてみれば、ありとあらゆるところで同意書や免責事項同意書といった「何かあっても責任は問いません」的な重要な書類にサインをしている。

 

世の中は、知らず知らず他人に自分の命を預けている危険な事だらけだが、その中でも最もヤバいのは国民が国に命を預けていることかもしれない。

 

沈没する可能性が少しでも見えていたなら、船長は船を出さなかっただろうから、基本的に事故の可能性は完全に見落とされていたに違いない。

 

航海のプロである筈の船長にわらないことが、観光客にわかりようがない。

 

北海道旅行で遙か北の果ての知床まで行って楽しみにしていたのはヒグマに高確率で出会えるというこの遊覧船のツアーくらいしかなかっただろう。

 

それが、まさかこんな大惨事になってしまうとは誰も想像だにしなかったに違いない。

 

なんとか生き延びる方法はなかったのか?

その時の最善の対処は何だったのか?

 

自分がその場に居たような気持ちになって何度も考えてみたが、答えは出ない。

もし乗船前にタイムワープすることができたなら、「この船は沈むから絶対に乗るな!」と訴えたに違いない。

 

なすすべのない状況に突然陥った乗客のその時の絶望的な心境を思うと心が痛む。

 

事故に遭われた方々とそのご遺族の方々には心からお悔やみを申し上げる。

そしてこのような不幸な事故が今後起こらないことを願う。