彼にしか撮れない作品 “運び屋” | 飲んで、呑んで、食べて、観て、猫と戯れる日々…

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“運び屋”


クリント イーストウッド
齢(よわい)90歳…
ほぼ一世紀を生きた老将、名将が「もう最期かもしれない」「遺作になるかも」という覚悟を、観る側に課すこの作品。

原題は“THE MULE”
「Mule」単体ではラバ。
あの動物のラバね。
裏社会では「Coke Mule」とか「Drug Mule」というふうに、身体に薬物を詰められたラバが薬を運ぶ様から「運び屋」って事になるみたいね。

そんな題名のこの映画。

監督&主演はクリント イーストウッド。
脇を固めるのはボスキャラ「アンディ ガルシア」モーフィアス「ローレンス フィッシュバーン」イーストウッドの弟子「ブラッドリー クーパー」中南米名脇役「マイケル ペーニャ」と、実の娘「アリソン イーストウッド」という、なんとも豪華キャスティング。

NYタイムズの記事「シナロア・カルテルの90歳の運び屋」という1本の記事、レオ・シャープという実在の人物からヒントを得て映画化。

デイリリー(ワスレグサ)という、一年に1日しか咲かない花の栽培と品評会に生涯を捧げ、家族を顧みず年老いた老人が、インターネット販売の世の中に遅れ、全てを失うところから物語は始まる。
90歳になろうという、朝鮮戦争退役軍人で人生の先駆者。
そんな彼は生涯、交通違反キップを切られた事が無い。
そこに目をつけた裏社会が、彼を運び屋にする。
強面のギャングにどんな悪態を吐かれても、普段通りに飄々とかわしていく。
次第に周りもそのペースに引き込まれ…
そんな感じで、ストーリーは進む。


運び屋は、ダーティーハリーでも無いし、ましてやジェイソン ステイサムでも無い。
90歳の老人だけど、実は今でも凄腕の殺し屋…的なキャラクターでも無い。
ホントのホントにただの老人。
様々な無敵キャラを演じてきたイーストウッドが、グラン・トリノしかり、今の自分にしか出来ない人物を演じて撮る。
だからこそのキャラクター設定が、絶妙かつ、この映画の味だね。
そこへ哀愁と笑いを挟んでくる…

ホント凄いわ!

そして、やっぱり名言残してる。

ネタバレ注意で…
































































最期の最後に、大切な物を取り戻せたけれど、自分のこれからの自由を失った主人公の最後の台詞。
「お金でなんでも買えたけど、時間だけは買えなかった…」


お金を稼ぐ為に、時間を使わざるを得ない自分だけど「その為に大切な物、人を忘れないようにしなきゃダメだぜ」って言われてるような気がしたよ。

これぞ名作‼︎
素晴らしかった。