八月の御所グラウンド | つましくても、ささやかな幸せ

つましくても、ささやかな幸せ

地位もお金も能力も無くても得られる、日々のささやかな幸せを記します。
内容は、映画・演劇・美術鑑賞&読書感想文&旅行記&趣味の手品&日々の出来事などです。

 

 彼女にもフラれ、就職活動にも身が入らず、何となく毎日を暮らしている大学生朽木。彼が友達の多聞から、借金のカタに誘われた早朝野球。最初は気乗りしなかった野球に、次第にのめり込んでいく朽木の姿が清々しかった。
 彼らの前に現れた不思議な3人組。時空を超えて来たと思われる沢村栄治と2人の友達。戦争に翻弄された彼らは、本当に野球が好きで、平和な世の中だったらとことん野球に没頭したかったのだと思う。
 多聞の「なあ、朽木。俺たち、ちゃんと生きてるか?」という言葉が重かった。「あなたには、火がないから」と彼女に言われた朽木だが・・・。彼が早朝野球をきっかけに、人生の目標を見つけて、前向きに努力する生き方をしてほしいと願わずにはいられなかった。