杉原千畝 スギハラチウネ | つましくても、ささやかな幸せ

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地位もお金も能力も無くても得られる、日々のささやかな幸せを記します。
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 「真の正義」「真の勇気」「真の対応力」を観た思いがした。本当に頭が良くて行動力のある人間とは、杉原千畝のような人間だと思い、深く感動した。映画を観て、いまだにその感動が冷めやらない。外交官杉原千畝が取った行動は、外務省という組織のル-ルには違反していたのかもしれない。しかし、杉原千畝が発行した「命のビザ」は、6000人ものユダヤ人の命を救ったのだ。
 杉原千畝が「日本のシンドラ-」だという話は知っていたが、彼が諜報活動を行っていたことは、この映画で初めて知った。身に危険が及ぶような諜報活動を命がけで行ったのも、彼の「祖国日本を救いたい」という思いからだろう。しかし彼の反対した方向に日本が進み、彼の予想通り「日本はアメリカとの戦争を余儀なくされ、多くの犠牲を伴う敗戦という結果に終わった」ことは残念で悲しいことだ。
 夫千畝の行っている危険を伴う仕事を承知の上で、夫を全面的に支持し陰で支えた妻幸子の深い愛にも感動した。「身に危険が及ぶかも知れない」「職を失うかもしれない」という状況の中で、夫を後押しできた幸子も、強さと勇気をもった女性だと思った。
 ユダヤ人から神様のように慕われている杉原千畝が、戦後外務省を追われ、彼の名誉が回復されるまでに時間がかかったたことが、残念でならない。
 当時のユダヤ人の問題は、今の難民の問題に繋がる側面もある。私たちは日本人として、「杉原千畝の愛と勇気」を、いつまでも忘れないように語り継いでいかなければならないと痛感した。


P.S.

杉原千畝の母校ハルピン学院の「自治三訣」

「人のお世話にならぬよう
人のお世話をするよう
そして報いを求めぬよう」
という言葉も、心に響いた。