元近鉄・佐野慈紀氏 右腕切断後「やれることがあったんじゃないか」と痛感…「糖尿病は本当に怖い」 | 韓国の森3

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2014~2024~

 

 

 

――最初に病気がわかったきっかけは何だったのでしょうか。 

 

 それまでは毎朝30~40分くらいウォーキングしていたのですが、足に痛みと腫れが出てきて、自分で勝手に足底筋膜炎だと思っていた。たまたま通っている病院に専門の先生が来る日があって、相談してみたら、先生の顔色が急に変わって。その場で「佐野さん、これ切るね」と言われて、足の中指を切断することになったんです。これが広がったら大変なことになるから、と。

 

再び元の病院で検査してもらったら、心臓弁膜症だとわかりました。じつは、その少し前につまずいて転んで手の指先を怪我し、小さなかさぶたが二つできていて全然治らなかった。そのことも相談して見てもらうと、「血流が悪くなっていて動脈硬化も進んでいるから、生きている部分の血流をよくしよう」ということでカテーテル治療をすることになりまして。そしたら、アナフィラキシー(全身性のアレルギー反応)が出てしまったんですね。もう死ぬかと思うくらい。

 

  それで血流はよくなったんですけど、それによって今度は手の指先の感染が進んでしまったんです。心臓弁膜症と同時に治すことはできないということで、まずは感染症を治すことになり、指先をクリーニングしながら治療してもらいました。でも、感染のスピードに追いつかなかったみたいで、結局、右手の人差し指と中指を切断しました。切ったほうが今後のためにはいいと言われて。

 

 指を切った場所をさらに洗浄することになるんですけど、やっぱり洗浄が感染に追いつかなくなってしまって。それにその洗浄が激痛なんです。結局、前腕の半分くらいまで感染しているようだとわかって、先生にどうするのがベストかを聞いたら、腕を切るしかない、と。「あとはひじの下にするか上にするかの問題ですね」と言われました。

 

  正直、腕をなくすのは……と思ったんですけど、洗浄するときの痛みに耐えられなくて。麻酔はするけど全然痛いんですよ。腕をなくすことは必ずしも受け入れられなかったんだけど、切ることにしました。これ以上感染を広げないため、最終的にひじの上まで切りました。指に近いほうは感染が残っている可能性があるので、ぎりぎりで切るよりは余裕をもって切ったほうが安心だろうということで。僕も何回も切るのは嫌だし、洗浄して痛い思いするのも嫌だから、「もう、まかせますわ。好きなところから切ってくれ」と(笑)。ただ、肩から切るのだけは嫌だな、と思った。まあなんとか、短いけど腕は残った。

 

  指を切った後、腕を切らなければ、という話になるまで、2週間くらいだったかな。

 

――大きな要因としては、糖尿病があったのですか。

 

  糖尿病の治療はしていました。透析もしていたし、インスリンも打っていて、状態としては末期でした。でも、数値はだいぶ安定していたんですよね。それで安心はしていたんだけど、やっぱり悪さをするんですね……。50歳過ぎたら、定期検診はやっておいたほうがいい。年に1回で良いから。あとは何か気になることがあったら、ついでに調べたほうがいいでしょうね。

 

  それと大きかったのはストレスかな。自分ではストレスに強いと思っていたけど、人間、意外ともろいものだと思いました。野茂の件(*)でも、反感は全然なくて、自分のふがいなさと申し訳ない気持ちでいっぱいだったんです。ただ、仕事がなくなって、もう一度仕事を取ってこようと思って頑張っていたけど、やっぱりその時のストレスも病気の原因にはなっていると言われました。あの時、仕事はゼロになったので、知らないうちにストレスを感じていたんでしょうね。そのあと、心不全を4回もやってるんですよ。

 

 でも今思えば、きちんと検査するきっかけはあったんですよね。最初に心不全になったときに、これは手術かもしれないと一度は言われたんですが、状態が緩和されてきたから様子を見ることになりました。その時にちゃんと調べておけば……。そのあと3回心不全になってますからね。今さらながら、もう少しやれることがあったんじゃないかなと。

 

  誰のせいでもない。でもどうしても、ああだったんじゃないか、こうだったんじゃないかと考えてしまう。恨みつらみはないけれど、なんとかできたんじゃないかと考えてしまって、悔しい部分はありますね。

 

右手、右足に症状が出ていることは、野球が関係した可能性はないのでしょうか。

 

  今のところ何も聞いてないです。どうなんでしょうね……。トミージョン(ひじの靱帯の再建手術)もやっているし、もしかしたら何かあるかもしれないですね。

 

――最後に、読者へメッセージを。

 

  絶対にお伝えしたいのは、糖尿病は、本当に怖いということです。大丈夫、大丈夫、と思っている時が、一番危険。この手術で学びました。皆さん、本当に気をつけてください。

 

 

  タバコと酒やめました。食事は可能な限り糖質の低いものを腹八分。毎日1万歩以上歩く習慣。月に1度は病院で血糖値検査。現在糖尿病で病院から処方されてる血糖値下げる薬や日頃の食事管理と習慣継続的な運動(ウオーキング1日1万歩以上) 実践中です。とにかく血糖値を上げないように心がけるしかありません。健康が一番の大切さが身に沁みます。ウオーキング できる喜びを今まで知りませんでした。

 

>今さらながら、もう少しやれることがあったんじゃないかなと

 

「アベノミクスが成功することはない。安倍政権の政策は日本も日本の子どもたちの将来も滅茶苦茶にするものだ。いつかきっと『安倍が日本をダメにした』と振り返る日が来るだろう。」