「トゥーランドット」金沢公演、東京公演を終えて | 小林沙羅オフィシャルブログ「小林沙羅のきまぐれ日記」Powered by Ameba

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ソプラノ歌手、小林沙羅のブログです。
出演する演奏会についての日記を中心に、忘れてしまいたくない大切な日々を綴っていきたいと思います。

書きたい事いっぱいすぎます~(>_<)

今回の2回の本番は、私を本当に成長させてくれました。


とにかくみんなに感謝したいきらきら!!



まず金沢公演は、毎日長時間劇場に缶詰。でも始終楽しく過ごせる環境に感謝!


トゥーランドットは合唱が主役?というぐらい合唱の比重が大きく、また難しいオペラです。金沢公演の合唱のほとんどは地元の方々で構成された、金沢カペラ合唱団でした。でも、これ本当にアマチュア?と思うほどうまかった!それぞれお仕事を他に持っていて、その中で時間をやりくりして練習してきたという事ですが、イタリア語でしっかり暗譜もして、音程もぶら下がったりせず、パワーもあり、びっくりしました。皆さん、いろいろ笑顔で話しかけて下さって、その中には15歳の女の子もいました。きらきらした目が印象的でした。


あと、言わずと知れたオーケストラアンサンブル金沢。このオーケストラの音は素晴らしいですね!!まさにハーモニーです。またぜひ共演させて頂きたいです。本気で。


旅公演は好きです。ホテル住まいは意外と落ち着きます。「トゥーランドット」の事と金沢の街やおいしいものの事だけ考えてました。充実した日々でした。


東京公演では合唱団が新国立劇場の方々でした。まず、東京での第一回の舞台稽古でびっっっくりしました!すごい迫力ですドンッそしてやっぱりオペラのプロ中のプロ。頭があがりません。少し絡みのある前列の方々は、「いい声出てたね」とか「死に方良かったよ」とか、「オーミア・リューって歌ってたからリューは大宮出身だ!埼玉県民だ!」(笑)などといつも楽しく声をかけて下さり、とても励まされました。


そしてオーケストラは読売日本交響楽団。こちらもすごい迫力でした!!オーケストラの皆さんもちょこちょこ声をかけて下さって嬉しかったです。中に芸大の同級生が二人いたのも心強く、休憩時間に一緒にご飯を食べたりしました。今年は日生劇場の「ヘンゼルとグレーテル」でもご一緒させて頂けるので楽しみです♪

金沢公演の本番の演奏は、気持よく、素直に歌えたと思います。「本物の愛」を伝えたい。表現したい。と、毎日試行錯誤していた結果を出せたと思います。いろいろな方から、純粋で一途なリュー。清純。きれい。などと言って頂けましたが、そこで一つの課題ができました。清純で一途で汚れがなくてきれいなだけのリューでいいのか?本当は心の中ではもっといろいろな葛藤や苦しみがあって、それでもその中で最終的に死を選んで、そしてそれが幸せだと信じて死んで行く。マリア様じゃないんです。人間なんです。だからこそ救いがあるんです。それを今の私がどう表現する事ができるのか。


それから考えて考えて、自分の映像を見て、録音を聞いて、いろいろ歌ってみて、、


悩んでいる私に一番のいいきっかけを与えて下さったのは、マエストロの「一度ぐらい、自分の枠をはみ出してみてもいいんじゃないか。崩壊してもいいから。」という一言でした。そしてできるだけの事をGPにぶつけてみました。オーケストラとずれました。でも、確かに何かをつかむことができました。


東京公演の本番は、金沢公演から一歩進むことができたと思います。まだまだこうありたい、と思うリューには全然足りませんが、一歩近づけた事で私自身もほんの少し成長できたように感じました。


金沢公演、東京公演ともに、暖かい拍手を下さったお客様。本当にありがとうございました。拍手ってプラスのパワーになります。もっと頑張ろうって思います。


リューという役は、これからもきっとやるたびに私を成長させてくれる。と思います。この役に出会えたこと。心から感謝です。