小林沙羅オフィシャルブログ「小林沙羅のきまぐれ日記」Powered by Ameba

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ソプラノ歌手、小林沙羅のブログです。
出演する演奏会についての日記を中心に、忘れてしまいたくない大切な日々を綴っていきたいと思います。

本日より、国立新美術館にて「ウィーン・モダン展」〜クリムト、シーレ、世紀末への道〜が幕を開きました!4月24日〜8月5日が東京にて、そして8月27日〜12月8日は大阪の国立国際美術館にて開催されます。




こちらの展覧会はウィーン・ミュージアムが改装に伴ってしばらく閉館するため、その間、その至宝の作品達を貸し出すという、ウィーン以外ではめったに見られない数々の作品達が展示されます。今年は日本とオーストリアの国交樹立150周年にあたり、その記念としてもとても意義深い展覧会です。


ウィーン、といえば美術はもちろんですが、やはり音楽は外せません。開会式に行き、展示を見せて頂いたのですが、実際、モーツァルトとシカネーダーが描かれたフリーメーソンの集会の絵や、シューベルトの眼鏡(!!)、シェーンベルクが弟子のベルクを描いた絵画など、音楽家達と関係が深い絵がたくさん展示されていましたキラキラ


今回、ウィーン・モダン展の企画の一つとして、ウィーンにちなんだ作曲家の作品を演奏する機会を頂きました。5月2日18時〜、国立新美術館のロビーにて、どなた様も無料でお聴き頂けます。今回の展示内容に沿ったプログラムを考えております。解説付きで、歌曲、オペラ、オペレッタ、様々な素敵な作品をご紹介します音譜


今回じっくり2時間近くかけて全ての作品を見ましたが、本当に展示の仕方もわかりやすく、見応えのある内容でした。美術好きの方のみならず、音楽好き、ウィーン好きの方にはたまらない内容です。ぜひ、展覧会をご覧になってからコンサートをお聴き頂けたら嬉しいです♪ 


展覧会の一角にクリムトのモデルになりきろう、というコーナーがあり、ちょっと遊んでみました!ちょっと顔がズレてますが載せちゃいます😁





私の事をデビュー当時から知っている方は、きっとVOICE SPACEの存在をご存知だと思います。でも、最近小林沙羅を知ったよ、オペラやリサイタルやテレビで知ったよ、という方は、VOICE SPACE?なんだろう???と、知らない方も多いのではないでしょうか?

今、VOICE SPACEというグループで3枚目のアルバム『アラベスクの飾り文字』を製作中でして、その資金集めを目的にクラウドファンディングをしています。(締め切りは4月16日!)私の演奏活動にとってとても大事な場、VOICE SPACEについて、こちらにエッセイで書いていますので、ぜひ読んで頂けたら嬉しいです。そして興味を持って頂けたら、ぜひクラウドファンディングを通してVOICE SPACEを応援して頂けたら嬉しいです!

こちらにも URLを貼り付けておきます。→https://camp-fire.jp/projects/126836/activities/78730


学生の頃の若い写真もあるのでぜひ覗いてみて下さいウインクそして面白そう、と思ったら、ぜひ応援よろしくお願いします!

7月5〜11日には山口、島根、広島、鹿児島にて、アルバムの発売記念ツアーを行います。



9月21.22日には谷川俊太郎さん、小室等さん、小室ゆいさんをゲストにお迎えして、東京公演も予定しています。こちらの演奏会はクラウドファンディングでチケットが割引、またはご招待というリターンのあるプランもあります。

また演奏会については詳細が出たらご報告させて下さいおねがい

まずはクラウドファンディング!締め切りは明日!どうぞよろしくお願いします!(目標まで残りあと30%ほど
1月20日に富山のオーバードホールで初日の幕を開けた『ドン・ジョヴァンニ 』。その後1月26.27日に東京芸術劇場で、2月3日に熊本県立劇場にて千秋楽、と、無事に全公演を終えました。

(©︎Hikaru.☆)

1月4日から本格的な立ち稽古が始まり、(ダンサー稽古やシーンごとの稽古、音楽稽古はもっと前からはじまっていました)、情熱と時間と体力とをフルに使って、夜も眠れなくなるぐらい本当に毎日『ドン・ジョヴァンニ 』のことばかり考えて過ごしました。オペラは熱中するとそうなってしまうので、終わった後、頭を整理するのに時間がかかります。たくさんの思いがありすぎて言葉にするのが難しい。千秋楽から1週間が経ったので、このあたりでブログを書き、総括をしたいと思います。

今回は2015年の『フィガロの結婚』に次いで、全国共同制作企画としてはモーツァルト作品2作目となります。『フィガロの結婚』は野田秀樹さんの演出で、演劇とオペラの融合が目玉でした。役者さんが10人出演し、台詞が入ったり、登場人物の心情を表現したり。一方今回は、演出がダンサーの森山開次さん。ダンスとオペラの融合が大きなポイントとなりました。

演出の森山開次さんと


オーディションでお会いした時には会話はしなかったので、第一印象で怖い方なのかもと思い、稽古が始まるまでドキドキしていました。でも稽古場でお会いするととても優しくて思いやりのある方だとわかりました。心の中にいつも情熱の炎を燃やしながらも、まわりの人たちが火傷しないように優しい防炎の衣を身に纏っているような、そんな感じでしょうか。

今回の演出ではオーディションで選ばれた女性ダンサーが10人出演しました。クラシック出身が4人、コンテンポラリーやモダンなどのダンスが6人、新体操が2人。どのダンサーも鍛えられた体と素晴らしい表現力を持ち、森山さんはそれぞれの個性や得意な部分を活かすような振り付けをしていました。初めて序曲でのダンスを見たときに震えがくるぐらい感動したのを覚えています。私だけでなく、みんなが感動した印に、稽古場で大拍手がおきました。

ダンサーさん達はこちら
左から梶田留衣、水谷彩乃、碓井菜央、山本晴美、浅沼圭、庄野早冴子、引間文佳、脇坂優海香、南帆乃佳、中村里彩(敬称略)


この10人のダンサーさん達は、皆それぞれこれからの日本のダンス界に無くてはならない存在なのだと思います。



今回のキャストは32歳〜42歳という、歌い手としては若手が集まっていたのもあり、和気あいあいと仲良く楽しいメンバーでした。

こちらはキャスト
左からデニス・ビシュニャ(騎士長)、近藤圭(マゼット)、小林沙羅(ツェルリーナ)、鷲尾麻衣(ドンナ・エルヴィーラ)、ヴィタリ・ユシュマノフ(ドン・ジョヴァンニ )、高橋絵理(ドンナ・アンナ)、三戸大久(レポレッロ)、金山京介(ドン・オッターヴィオ)(敬称略)


特に今回は女性歌手はソプラノが3人音譜3人がそれぞれ違ったキャラクターで声質も違い、性格も含めて三者三様。だからこそお互いがお互いを面白がり合いながら尊敬しあう、とてもいいバランスで、毎日とても楽しかったです。



絵理さん、麻衣さん、大好きキスマーク
高橋絵理さんとは次の現場、秋田での『ボエーム』でも一緒です。(2月17日秋田のアトリオン音楽ホールにて詳細はこちら

今回の衣装は廣川玉枝さん。本当に美しい衣装でした。廣川さんご自身もお美しい方です✨(廣川さんのブランドSOMARTAの公式HPはこちら

富山、東京、熊本共にたくさんのお客様に来て頂けて嬉しかったです!公演が終わるたびに演出もどんどん変化していき、オーケストラも合唱団も地方によって違い、一回一回の公演が初日のような気持ちでした。たくさんのブラボーや拍手、嬉しかったです。スタンディングオベーションもありましたキラキラ





こちらは富山にて。みんないい笑顔!



こちらは東京(合唱の皆さんと写真撮りそびれたぐすん


こちらは熊本。
終演後、ロビーで撮影大会になりました。



熊本のGP後には、スタッフさんも一緒にみんなで撮りましたキラキラ

(©︎Hikaru.☆)

出演者もスタッフさんも、皆で『ドン・ジョヴァンニ 』をいい公演にしよう、という共通の目的を持って一緒に稽古を重ね、本番を重ねて来たので、熊本公演が終わって「またいつか、現場で一緒になれますように」と思いながら散り散りになるのがとても寂しかったです。もう何公演かやりたかった!




今回は井上道義マエストロがとてもこだわって日本語訳を作られて、皆で何度も歌ってみて変更を重ねながら言葉を当てはめていきました。もともとイタリア語の台本があってそれに合わせてモーツァルトが音楽を作ったのですから、それに日本語を当てはめるのは本当に難しい。それをわかった上で、皆で歌い方も含め、最善を目指して頑張りました。特に日本語が外国語であったデニスとヴィタリにとっては本当に大変だったと思います。二人とも本当にブラービ!!!


「日本語だったので聴きに行ってみようと思った」「言葉がすっと入って来てわかりやすかった」という声がたくさんあり、特に富山と熊本では成功だったと感じました。東京では芸術劇場がとても響くホールなので座った位置によっては言葉が聴き取りにくかったという声もありました。それはたぶんイタリア語で歌ってイタリア人が聴いていても同じだったと思われます。。ただ、日本語のはずなのに聴き取りにくい…というのはお客様のストレスになったかなと思い、東京ではレチタティーヴォも字幕を入れた方が良かったかもな…と個人的には思います。

しかし、今回、「ダンス」と「日本語」というのは確かに大きなポイントではあったのですが、でも、森山さんが『ドン・ジョヴァンニ 』の作品を通して伝えたかった本質の部分は、そこじゃない!!!

今回の舞台は女性の子宮をイメージした作りになっていました。卵巣も卵管も、ちゃんとあります。全てのドラマは女性の体内で起こっていたのです。




最後、ドン・ジョヴァンニの地獄落ちのシーンではダンサー達が絡みつき、赤く太く長いものが彼に絡みつき、彼は子宮の外に押し出されます。このシーンは怖く、美しく、圧巻でした。


上の写真は富山公演でのものですが、東京以降はここはドン・ジョヴァンニが半裸になりました。合唱団のあり方も熊本公演に向けて変わりました。森山さんがこのシーンにどれだけ思い入れがあったか、よくわかります。

ドン・ジョヴァンニの地獄落ちのあと、「これが悪者の終わりだ、最後だ」と、女性が男性にドクロを突きつけながら歌う6重唱。森山さんは出演者にさえ多くを語らず、それぞれの解釈で歌ってくださいとおっしゃいました。「死んで行く時はこの通り、何も恐れずそのままで死んで行く」。

ご覧になった皆さんは何を感じ、何を思いましたか?




この度、第20回ホテルオークラ音楽賞を受賞する事に決まりました。


これまでの音楽活動を見ていて下さり、評価する方々がいて下さり、それが賞という形で頂けたのだと思うと、本当にありがたく嬉しく、励みになります。応援し、見守って下さる皆様のおかげでここまで演奏活動を続けてこられたことに、改めて心から感謝しています。


これからも、さまざまな事にチャレンジしながら、私らしい音楽活動をして行きたいです。


わくわくする事がしたい。お客様に楽しんで頂けることがしたい。これからも出会いを大切に、人と音楽に誠実に、自分に嘘をつかずに歌い、演じて行きたいです。


まだまだ未熟な私ですが、これからも見守って頂けたら、そして小林沙羅を楽しんで頂けたら嬉しいです。


心の中に燃えている炎を絶やさずに、舞台の上で光を放てる人であり続けられますように✨



音楽賞の詳細などはこちらの記事をご覧下さい。


https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001170.000005118.html


上のリンクの記事に、音楽評論家の寺西基之さんが選評を書いて下さいました。私が大切に思っている事が届いていた、評価して頂けたのだと思うと嬉しくて泣いてしまいました。嬉しいのでここに、その言葉を添付させて頂きますおねがい



「小林沙羅さんは天性の歌声ともいえるような美しい声で早くから注目を浴びた。 しかし天性の声だけでは優れた本格的な歌手になれないことは勿論である。 小林さんの歌には、 詞の意味をしっかりと捉えつつ、 曲にふさわしい表現を綿密に作り上げていこうとする知的な姿勢が常にうかがえる。 透明な軽やかさや広がりある叙情美から、 濃密な厚み、 豊かな情感表出、 芯の通った力強さ、 劇的な激しさにいたるまでの彼女の表現力の幅広さは、 そうした姿勢あってこそのものだろう。  そのような知的なアプローチでもって充分に表現を練り上げているからこそ、 天性の声が生かされ、 その歌があたかも本然的に湧き上がってくるような魅力を発するのだといってよい。 同じことはオペラにおける小林さんの演技にもいえることで、 自分の演じる役柄を充分に掘り下げ、 役になりきってその性格と感情を表わし出す演技力は高く評価されよう。 まさに真の歌姫というにふさわしい逸材である。」



2016年に頂いた出光音楽賞、そして今回頂くことになったホテルオークラ賞に恥じないような演奏活動をしていきたいと思います。



追記


これまでの受賞者を見ていて気づいたのですが、声楽の受賞は今回で15年ぶりになるのですね。

第1回緑川まりさん

第2回佐々木典子さん

第3回森麻季さん

第4回高橋薫子さん

第5回林美智子さん

と、尊敬する方々ばかり。身の引き締まる思いです。


1月4日から毎日稽古場にこもって稽古漬けの日々でしたが、いよいよ富山に移動。劇場入りしました!今日からはオーバードホールにこもって、1月20日の初日に向けて舞台を作り上げていきます。

オーバードホールは2012年にソフィア国立歌劇場の皆さんと『ジャンニ・スキッキ』で歌いに来て以来です。入り口の写真を撮りました。雪が降ってます。寒いですニヤリ



こちらは富山入りする前、稽古場での風景。仮ではありますが、稽古場にもちゃんと階段のセットが組まれています。



休憩中にマゼット役の近藤圭さん、マエストロ井上さん、アンナ役の高橋絵理さんとパチリカメラ


上の写真は絵理さんが普通すぎるということで、罰として(?)マエストロと二人でもう一度パチリカメラ


いい写真が撮れました☆出演者の年代がみな近いのもあり、みんな仲良しで楽しい稽古場ですニコニコ


こちらは劇場の写真ですキラキラまだ明かりもこれから、衣装もこれからなので、これよりもっと華やかになります。楽しみにしていて下さいねウインク


東京での顔合わせお食事会の写真を載せます。ダンサーさん、森山さん、キャスト、カバーキャスト、スタッフさん達も一緒です。大集合!やはり一緒に食べたり飲んだりするとぐっと仲良くなります。


今日の舞台稽古には富山の合唱の皆さんも合流しています。歌だけでなく動きも結構あり、ぐっと華やかになりました。初日まであと4日!素敵な舞台になるように頑張ります!


皆さんぜひ見に来て下さいねおねがい
詳細は下記をご覧下さい♪

富山公演