懐かしのVHSビデオ『アルジェント・ザ・ナイトメア/鮮血のイリュージョン』 | トラウマ日曜洋画劇場

トラウマ日曜洋画劇場

レンタルDVDもインターネットもなかったあの頃。インドア派の少年たちがオタクとかヒキコモリといった言葉で安易に総括されてしまうこともなかったあの時代。昭和キッズは夜な夜なテレビで放送される洋画番組をめちゃくちゃ楽しみにしていた……

『トラウマ日曜洋画劇場』 の248頁あたりで紹介した『アルジェント・ザ・ナイトメア/鮮血のイリュージョン』のビデオテープ。価格はバブリーな12800円也。金欠だった当時、死ぬ気で買った一品です。

トラウマ日曜洋画劇場-アルジェント・ザ・ナイトメア鮮血のイリュージョン

この映画は Il mondo dell'orrore di Dario Argento (1985) というタイトルのドキュメンタリーとしてIMDbにも載っているが、日本では劇場公開されないまま、1986年にコロムビアからビデオで発売された。とりあえず、ジャケットにあった解説文をそのまま紹介してみると……。

ビデオだけの完全オリジナル・ムービー!
『歓びの毒牙』から『デモンズ』まで…


1970年『歓びの毒牙』で監督デビュー。『わたしは目撃者』『4匹の蝿』などを経て、 『サスペリア』の大ヒットで注目を浴び、『インフェルノ』『シャドー』『フェノミナ』と、ゴシック調の幻想的な映像に磨きをかけ、ホラー映画の旗手としてその地位を築きあげたダリオ・アルジェント。

この作品は、アルジェントが製作及び監督した全10作品の中から、特に衝撃的なシーンをピックアップし、撮影風景の興味ある舞台裏を含め、アルジェント自らが彼の作品、スタッフ、そして彼自身について語る貴重な一篇だ、有能な特殊メイクアップ・アーチスト、トム・サビーニやセルジオ・スティバレッティらとの仕事ぶりもたっぷりと描かれている。

監督は『インフェルノ』以来、アルジェントの良き協力者として、彼の作品に携わってきたミケーレ・ソアビ。
ファン必見の悪夢の贈り物だ。(日本語字幕スーパー ビスタ・サイズ カラー71分 モノラルHiFi)

ハロウィン

アルジェント自身やスタッフへのインタビューの合間に、1969年から1985年までのアルジェント作品のハイライトシーンがインサートされるため、トニー・ムサンテ、ジェームズ・フランシスカス、カール・マルデン、デヴィッド・ヘミングス、ジェシカ・ハーパー、ステファニア・カッシーニ、ジュリアーノ・ジェンマなどが次々画面に登場する。

『フェノミナ』撮影現場でウジ虫プールにつかる15歳のジェニファー・コネリーなんかも出てくるが、可憐そのものだ。まさか十数年後『レクイエム・フォー・ドリーム』みたいな映画に出て、よだれ垂らしながら腰振ってアストゥアスするなんて、本人も想像つかなかったことだろう。

この映画、初期のアルジェントが好きだったというファンにはたまらないドキュメンタリーだが、DVD化はされていない。どうしても見たいという人は、YOUTUBEで検索するとフル動画がひっかかる。奇特な人が今年の6月にアップしてくれたようだが、本日時点で再生回数がわずか27回だという事実に泣きそうになった。アルジェント・ファンのみんな、冷たすぎるぞ!