過去の教え子の中に、堂々と間違えてくれる子がいました。
もちろん間違える子はたくさん、というか全員ですが、「堂々と」間違えてくれる子はそんなに多くはいません(笑)。
多くの子は自信なさそうに間違えるか、「わかりません」でごまかすか、間違えることを恐れて口を閉ざしてしまうかです。
そんな中で、本気で考えて「堂々と」間違えてくれる子は、教える立場の人間にとっては貴重な存在です。
というのは、「堂々と」間違えてくれることで、その子との議論が可能になるからです。
その子は、本気で自分のほうが正しいと思い込んでいるので、納得するまで絶対に引き下がってくれません。
結果、その子は私の説明力までも磨いてくれるんです。
その子とはリビングで授業していたので、その子と私との議論は当然親御さんにも聞こえていたはずですが、親御さんも決して口を挟むことなく、そのやりとりを楽しんでくれているようでした(笑)。
日本の教育は「間違えない力」を重視するあまり、子供たちから「間違う力」を奪っているという話を聞いたことがあります。
「間違ってはいけない」という思いが強すぎて、間違うことを極端に恐れる子が多い、と。
言われてみれば確かにその通りだなと思います。
「間違ったら叱られる」
「間違ったら恥ずかしい」
そんな思いでがんじがらめになって貝になってしまっている生徒、たまに見かけます。
子供たちにはよく、「本番で間違えないために今のうちにいっぱい間違っておきなさい!」と言っていますが、一度貝になってしまった生徒の心を解きほぐすのは正直難しいです。
今、世の中が大きく変わりつつあります。
教育の世界もその例外ではありません。
受験制度も少しずつ変わってきているのはみなさんもご存じのことでしょう。
これからの社会で輝けるのは、「模範解答を書ける力」を持った人間ではなく、「間違う力」を持った人間なのかもしれませんね。
もっとも、そうなったらなったで真っ先に淘汰されるのは私自身なんでしょうけど(笑)。
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