「私が言っても聞かないから、先生から厳しく言ってやってください!」
たまにそんなご依頼(?)を受けることがあります。
でも、毎日一緒にいる親の言うことも聞かない子が、週に1回しか顔を合わせない私の言うことを素直に聞くとは思えませんよね(笑)。
では、そんな親御さんに質問です。
あなたは中高生の頃、親や先生の言うことを素直に聞いていましたか?
少なくとも私の答は「否」です(笑)。
ただ、自分で言うのも何ですが、私は中学校に入ってから勉強は割とよくしていました。
でもそれは、親に「勉強しなさい!」と言われたからではありません。
逆に「勉強なんかしなくてもいいよ」と言われたからです。
それが本心だったのか、それとも私のへそ曲がりな性格を手玉に取ったのかはわかりませんが(笑)、当時成績についてどうこう言われた記憶はありません。
そのお蔭で高校に入って、一時期落ちこぼれた時期もありましたが、卑屈になることなく自力で這い上がることが出来ました。
もしあの時、「こんな成績でどうするの?」なんて言われていたら、親に反発して絶対に勉強しなかった自信があります(笑)。
心理学用語に「心理的リアクタンス」という言葉があります。
簡単に言うと、「やれ」と言われたらやる気がなくなり、「やるな」と言われたらやりたくなる人間の心理です。
きっとみなさんも、身に覚えがあるのではないでしょうか?
思春期の子で、親の言うこと、先生の言うことを何でも素直に聞く子がいたとしたら、逆に気持ち悪いと思いませんか?
他人の子ならそう思えるのに、なぜか我が子が自分の言うことを聞かないとイライラする。
自分も同じ道を辿ってきたはずなのに・・・。
ホント、人間って厄介な生き物ですよね(笑)。
そう言えば昔、妻と付き合い始めた頃、私は妻に「自分は優等生だった」ということを自慢していました。
ところが、妻を連れて実家に帰った際、ひょんなことから私の学生の頃の通知表が出てきました。
まあ、教科の成績はそこそこ良かったのですが、先生からのコメントには結構辛辣なことが書かれていて、自分が思っているほどでもなかったことがばれてしまい、恥をかいたのを覚えています(笑)。
人間はとかく自分の過去を美化しがちですね。
「ウチの子は落ち着きがない」
「ウチの子は言うことを聞かない」
「ウチの子は全然勉強しない」
そう嘆いているお父さん、お母さん。
あなたは中高生の頃、そんなに親や先生の言うことを聞く良い子でしたか?
「自分はもう少しマシだったはず」と思っているお父さん、お母さん。
その記憶は本当に確かですか?
ご自分の過去、棚に上げていませんか?
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