以前、未経験でウェブトゥーン翻訳者デビューできたと
書きました。
でも、そもそも実務翻訳や字幕翻訳のように
養成講座などもほぼないので(2021年現在)
専門的に方法を学ぶ機会がありません。
実践し、自ら参考資料や漫画を読んで
鍛えるしかない状況です。
私がデビューしたとき、Photoshopも漫画的な翻訳も
ど素人だったからか、または急ぎのスケジュールのためか
わかりませんが、幸運にも契約した翻訳会社の方が
直接レクチャーをしてくれました。
(クライアントごと、翻訳者ごとに好みや、やり方の差はあると思うので、そこはケースバイケースで)
ざっと、こんな内容でした。
読者層:10代や20代の若者が多い
ツール:だいたいスマホ
読む状況:電車などでながら読みが多い
ウェブトゥーンは縦読みスクロール
という、ターゲットやウェブトゥーンが読まれる環境を考慮。
読みやすく
見やすく
翻訳や表記のしかたも工夫し、
読者が作品から離脱しないようにする。
という前提がありました。
・むずかしい漢字はひらがなに
会社のマニュアルで指示されているものや、
それ以外にも読む負担を減らすため
適宜ひらがなで表記。
例)あの時→あのとき、あの頃→あのころ
お願い致します→お願いいたします
・漫画っぽい表記のしかたがある
ああっ→あぁっ
わあ→わぁ
グアアッ→グァァッ
など、感嘆詞のうしろの文字を小さくすると漫画っぽい
・原文になくても、セリフのお尻と頭をつなぐ接続詞や間投詞で
ワンクッション入れると、スムーズにつながりやすい
(いい例文がすぐ出てこないけど、つまりこういうこと↓↓)
(原文)
A:それ、どういうこと?
B:Cが言ってたの
↓
(訳文例)
A:それ、どういうこと?
B:その…Cが言ってたの(間投詞を追加)
(原文)
A:なんで買わないの?
B:高いじゃん!
↓
(訳文例)
A:なんで買わないの?
B:だって高いじゃん!(接続詞を追加)
・原文は同じ効果音でも、訳はバリエーションをつけるとよい
(原文)
ドカッ、ドカッ
↓
(訳文例)
ドカッ、ドゴッ
・正しい漢字表記などに悩んだら、
日本のニュースを検索
(朝日、読売など主要媒体で)
・コーパス検索を活用する
特定の単語の前後でよく使われる表現を検索できる。
(以前は「少納言」というシステムがありましたが、休止されたので今はこっちを利用しています)
https://bonten.ninjal.ac.jp/bccwj/string_search
・原文に引っ張られすぎないこと
イメージに合っていて、ストーリーやセリフの意図を変えてしまわないなら、原文から多少離れてもOK。
(このサジ加減がむずかしいっちゅうね)
・日本語の訳文にアテレコしてみる
好きな俳優や声優などの声をキャラにあててみて、
日本語訳を音声で脳内再生。違和感がないか確認するといい。
・話の一番最後のセリフは「決めゼリフ」である
次回を読みたくなるような、「ひき」のセリフを考える。
・原作が韓国だとわからないぐらいを目指す
「ローカライズ」で韓国名を日本名に変えたりする場合は読者も気づきやすいが、できる限り、日本読者に違和感のない形で届けるのが目標
最初のうち、細かく丁寧にフィードバックを
もらえたので、本当に助かりました。
作業経験を積みながら、気づくことや悩むことが
無限にあるなと感じます。
奥深いウェブトゥーン翻訳、地道に修行していこうと
思います。