ドストエフスキーの『ステパンチコヴォ村とその住人たち』(光文社古典新訳文庫)を読みました。
今まで聞いた事のなかったドストエフスキーの小説を本屋で見つけて買って読みましたが、コレがめちゃくちゃ面白い♪
知らなかった自分が恨めしいですが、訳者の高橋知之さんの解説によれば「知られざる傑作」だそうな。
後期の5大長篇(『罪と罰』『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』)が書かれるちょいと前の1859年に発表された作品でしたが、当時の文壇では評価されなかったとの事(泣)。
日本でいち早く見つけたのが小説家の丸谷才一で〈読まれないドストエーフスキイ〉と云うエッセイの中で…
「深刻でないドストエーフスキイを読んで、楽しい気持で、腹をかかえて笑いたいというような願望の持主は、ぜひお読みになるがいい」
…とありましたが、全く以て同感です。
数日前にも書きましたが、主人公のおじさんロスタネフの一挙手一投足にイライラしながら、電車の中にも拘わらず、何度も吹き出してしまいました♪
そんなロスタネフをなぶりになぶるのが、居候のフォマー・フォミッチ。此の野郎が、ムカつくったらありゃしない(笑)。
高橋さんが「世界文学史上最高レベルに憎ったらしいキャラクター」と書いてますがげにごもっともで、どの場面でもイライラさせられます…が、イライラさせられながら、爆笑もしてしまうんですヨ!
殊に〈第1部第9章 閣下〉なんか最高で、思い出しても笑っちゃいますもの☆
そんなムカつく場面が続くからこそ、398ページでの事件で得られるカタルシスたるや、ハンパぢゃありません♪
他の登場人物もクセが強過ぎて、これまたおかしくて堪りません。
昨年読んだバルザックによる大傑作『ラブイユーズ』には敵わないものの、相当面白いです。見つけて良かった(泣)。
500ページ弱ありますが、あっという間に読めちゃいます☆是非とも読んでください♪