三遊亭王楽のぽよよんブログ

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落語家・三遊亭王楽が日々の出来事・落語・映画について、ぽよよんと語ります。
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昨日は〈池之端しのぶ亭〉にて【こっそり王楽】。

先ずは私が『八九升』、好好『皿屋敷』、再び私『宮戸川』で、お仲入り。

休憩後に登場したのは、勉強に来てくれた兼太郎。

「折角だから…」と上がってもらい、披露してくれたのは十八番中の十八番『五目講釈』!お客様を大いに沸かしてくれました♪

そんな兼太郎、10月18日(金)の【王楽リクエストvol.4】にて、トリで大ネタを口演します!皆様、是非いらしてください☆

トリの私の三席目は『お札はがし』でしたが、クライマックスのおっかない場面で、玄関先でガタッと音がした為、お客様だけでなく王ちゃんもビビりました(泣)。

不安定なお天気の中を御来場くださった皆様方、心より御礼申し上げます!

次回のこっそりは、9月〈13日の金曜日19時開演。鯛好オジサンをはさみ、三席口演しますので是非いらしてください☆

さて…本日、昼は末廣で夜は両国☆ハレの初日の高座、頑張ってきますぜ~♪
今更ながら、燃え殻さんの『ボクたちはみんな大人になれなかった』(新潮文庫)を読みました。

コロナ前にベストセラーになった本書ですが、読んでみて成程、X世代からZ世代に突き刺さる作りだナと☆

サブカル好きの心をちょいちょいくすぐる装置の数々と、ハッピーエンドにはならない恋愛とが、王ちゃん的にグッと来ました♪

9割の読み手が酔いしれたであろう名言の数々よりも響いたのは、人生のリアルな部分が淡々と描かれていた事。

例えば、雪の日に事故った時に助けてくれたヤクザの方が既に帰らぬ人となってたりとか、ビリビリに破かれた教科書を直してくれたストリッパーの方に会えなかったりとか。

エクレア工場で働いていた時に出会っていた七瀬を劇的に使わず、金の無心をさせてるところなども好感が持てます。

こう書いていて、本書の味わいが何かに似ているナと思ったら、村上龍さんによる大好きな小説『村上龍映画小説集』でした。

燃え殻さん、スマホで書いたんだそうな☆速攻で読めますので、良かったら是非♪
私は今、北海道は苫小牧に来ております☆

一昨日に前乗りをさせて頂き、昨日〈中央院〉と云う大きなお寺さんでの【螢山禅師 七百回 大遠忌】にて一席。

とてつもなくご立派な控え室にて、原稿を書いたり、持参してきた小説やエッセイを読み漁ったり、美味しいお弁当をたらふく頂いたりと、大変有意義な時間を過ごしたところで、私の出番時間と相成りました。

とても広い本堂にお集まりくださった檀信徒の皆様が、くすぐられてもそんなには笑えないんぢゃないかと思うくらいにマクラから笑ってくださいましたので、渾身の『時そば』を口演♪

ご住職の皆様方に、とてもよくして頂きました(泣)。心より御礼申し上げます。

さて、今から帰京致します☆「お土産だけ帰ってくればいいヨ?」と照れる家族、待っててチョンマゲ!(←本音だよ)
志ん生師匠の『びんぼう自慢』(ちくま文庫)を読みました。

ご自身の生涯について語られたものですが、志ん生師匠の語りで想像しながら読んでしまいますから、面白いの何の☆

少年時代、父親の大事にしていたキセルを質に入れてしまったの時の描写が特に面白く…



「おやじは長押(なげし)にある槍をおろして、そいつをしごきながら、

『あンちきしょう、どこへ行った。槍玉にあげてやる、ウーム!』

って、まっ赤になってうなってる。お袋のほうは青くなってるから、何のこたァない交通信号です。

世が世ならばなんでしょうが、明治の御世(みよ)に親が子供を突ッ殺すなんてえことはできやしない。

でも、親父の気性なら、ひょっとするとやり(槍)かねない…なんてえノンキな洒落をいってる場合じゃァありません」



…ネ?最高でしょ♪志ん生師匠の声がモロに聴こえてきて、読んでて爆笑でした☆

関東大震災の時、おかみさんと一緒にいた師匠は、箪笥の上にあった鏡台が倒れるのを見て…



「オレたちァ、兄弟(鏡台)なんぞじゃァねえ。夫婦だ」



…ってのも面白いっす♪

その面白さは、笑えないシチュエーションで発しているからこそだからでしょう。

貧乏しながらも、真似のしようがない道楽三昧の中でも、落語が心底好きで、且つ、落語の稽古を怠らなかったこそ、名人になれたのでしょう。

三島由紀夫が『小説読本』の中で、理想的な小説家は…



「情感百パーセント、理智百パーセントほどの、普通人の二倍のヴォルテージを持った人間であるべきで、バルザックも、スタンダールも、ドストエフスキーも、そういう小説家であった」



…と仰っていましたが、理想的な噺家もそうかなと思います。やろうと思ってもやれるもんぢゃないですから。正にそれが、古今亭志ん生。



「あたしんとこへ客が寄るなんてえことは、猫がワンと鳴くより、もっと珍しい」



「お礼として二十円送ってきたときの、かかァのよろこびなんてえものは、そりゃァ大変なもので、

『まァ、うれしい、二十円、あんた、二十円だよ!』

てんで、あたしゃァ、かかァがあたしを捨てて、その二十円と結婚するんじゃァねえかと思ったくらいでしたよ」



…志ん生節を存分に堪能出来る一冊です。是非!
昨日の昼、先ずは【しのばず寄席】。

鶴光師匠がトリでした為、ご一門の和光師匠・羽光師匠・希光さんも出られて、まるで鶴光一門会にゲスト出演させて頂いた気分☆

私の前の出番が羽光師匠でしたが、真っ昼間には相応しくないド下ネタ落語を炸裂させておりました(笑)。お客様、爆笑♪

その後、着物のまま飛び出して町屋へ。

〈荒木田ふれあい館〉にて【荒川ふれあい寄席】でしたが、慌てて会場に着くと好好が楽京師匠直伝の『出来心』で繋いでくれておりました。やれば出来んぢゃん。

好好の二席目は、兼好師匠直伝の『皿屋敷』。

教えてくださった師匠の台本がいいのもあるんでしょうが、二席とも面白かったっす☆

お暑い中を御来場くださった皆様方、有難うございました!

さて…本日これから、苫小牧へ行って参ります~♪