【映画見聞記vol.1149】 | 三遊亭王楽のぽよよんブログ

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昨日は〈新宿ピカデリー〉にて、映画を2本鑑賞。

マカロニ・ウェスタンの傑作と称され、俗に〈ドル3部作〉とも呼ばれている内の2作『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』を観ました☆

恥ずかしながら王ちゃん、いずれも初めて観るんですヨ(泣)。

いつかは観たいと思っていたら、此の度、劇場で一気に3作公開されるってんですから見逃してはいけません!

…てな訳で、先ずは『荒野の用心棒』。

云わずと知れたイーストウッドの出世作、如何なもんでしょうか…

モリコーネの音楽と汗みずくな顔の男達のアップとで織り成す、野卑な魅力が堪らない。

突然現れた主役を馬鹿にした奴らを倒す場面や、後半に差し掛かる時に主役が地獄を見せられてからの復活劇は、その見せ方が上手ければ上手い程、スカッとします♪

イーストウッド演じるジョーもいいけど、敵のラモンも酒場のおやじもいい顔してます。棺桶屋のじいさん、最高!

主役を最初にヘンリー・フォンダに打診してダメで、次にチャールズ・ブロンソンに断られ、何人もの俳優を経てイーストウッドになったって事実は知らなかったなァ?正に、その時歴史が動いた☆

続いて『夕陽のガンマン』。

モンコとモーティマーと云う2人の賞金稼ぎと強盗殺人犯インディオとの三つ巴の物語。

モンコはイーストウッド、モーティマーはリー・ヴァン・クリーフ、インディオは『荒野の用心棒』でも悪役だったラモンを演じたジャン・マリア・ヴォロンテ。

さて、如何なもんでしょうか…

モンコとモーティマーとが認め合う〈帽子ぶっ放し合い〉の場面をはじめ、男の美学が満載。

オープニング、モーティマーが如何に凄い奴かと云うのを見せる技に唸ります。

そんなモーティマーを演じたリー・ヴァン・クリーフ、貫禄があってスマートでカッコいい!

ドイツの俳優クラウス・キンスキー演じるワイルドを小バカにしながらいじる場面、どちらもお見事。

ワイルドが放つ小物感が、モーティマーの大物感を際立たせてます☆

そんなモーティマーも、当初はリー・マーヴィンの予定だったそうですが、別の作品の撮影があった為(←オスカーで主演賞を受賞した『キャット・バルー』!)、仕事も無く電話も止められていたリー・ヴァン・クリーフになったそうな…人生、捨てたもんぢゃありません(泣)。

前作に引き続きの悪役ジャン・マリア・ヴォロンテも、単なる悪役ぢゃない魅力が溢れてました。悪役とは、こうありたいものです。

モンコが敵の遺体を勘定している際、観客に「志村、後ろ!…ぢゃなく、モンコ、後ろ!」と思わせといてから撃つ場面がカッコよく、その後にモーティマーから「どうした?」と聞かれてからのモンコの返答が、もっとカッコいい☆

イーストウッドは、どの役を演じてもイーストウッドですが、それで観る側を満足させちゃうんだから大スターですよネ?

今の時代に、此のような作品を大画面で観られる贅沢…あ~、楽しかった♪皆さん、是非!

来週には『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』を観ようと思います☆楽しみぢゃ~。

最後に…

此の〈マカロニ・ウェスタン〉と云う造語、元々はイギリスのクリストファー・フレイミングと云う評論家が〈スパゲッティ・ウェスタン〉と呼んだのが始まりだそうですが…

「スパゲッティぢゃ細くて貧弱だ」と云ってマカロニに改めたのが、かの淀川長治氏!またひとつ、お利口になりました。