8月も終わりです。なんか年一回になってしまいました。

 ライチョウの今日この頃ですが・・・

 最近のライチョウのニュースは中央アルプス、木曾駒ヶ岳周辺でのライチョウ保護活動のニュースが主になっている感じです。

 

 

 今年はライチョウには1回しか会えず、それもガスの中でした。

 なので今回の写真は借り物です。

 最初に今年の中央アルプスのライチョウの様子です。

 まず、ライチョウが絶滅していた中央アルプスに2018年に1羽のライチョウが近くの乗鞍岳から飛来したことから始まりました。

 このライチョウはメスで当時3歳だったようですが、今年も生存が確認されていて、なんと10歳、ライチョウでは最高齢にあたるくらいの長寿です。ライチョウはだいたい無事に長生きしても7歳くらいと言われています。

 

 

 そして信州大学の中村先生を中心にこの中央アルプスでの復活作戦が本格的に2020年から始まりました。

 当初は20羽からスタートしたそうですが、今年の調査ではなんと120羽になってていて、昨年の80羽から40羽も増えてくれたそうです。


 ※このライチョウの写真は大町山岳博物館から転載したものもあります。

 

 中村浩志国際鳥類研究所のニュースでも詳しく知ることができます。

2024年の取り組みは6月27日から始まり、7月30日に終わりました。この保護活動は木曽駒の頂上山荘近くに3つのゲージを設置して孵化直後の3家族、家族といってもライチョウの雛を育てるのは母ライチョウだけで、雄の父ライチョウは縄張りの見張り役です。18羽のヒナを保護していましたが、無事に成長したのは10羽で8羽は死亡してしまいました。

 その死亡原因については、①今年は異常なほどの悪天候が多く、ヒナたちをゲージの外に出せない日が多かったこと。②強風でゲージを覆うビニールシートが大きな音をたててしまい、ヒナたちに大きなストレスになった。 と考えられるそうです。

 そして10羽の放鳥が行なわれ、今年の活動は終了しました。

 

 

 また、今年のニュースでびっくりしたのが、6月28日ですが、横浜市みどり環境省局、動物園課繫殖センターの記者会見です。

 この横浜市繁殖センターはズーラシアの施設内にありますが、今年、東京の上野動物園との共同で、5月25日~26日に乗鞍岳で雄ライチョウから精子の採取に成功し、その精子を冷蔵輸送して富山市のファミリーパークにて飼育している雌ライチョウへ注入して人口繁殖しました。そして、6月28日に無事に2羽のヒナが誕生したそうです。日本で最初の取り組みです。


 

 

 環境省の調査活動も行われています。

 日本ライチョウは絶滅危惧種です。そして特別天然記念物です。

1980年代には北アルプス、南アルプスを中心に3000羽が生息していたとされましたが、2000年代に入り1700羽までに急激に減ってしまったのです。

特に南アルプスの減少は深刻です。 

 

 

 なので、中央アルプスでの復活作戦は嬉しいニュースですが、北アルプス、南アルプスの現況が心配です。

 今年6月14日のNEWS WEBで北アルプスの常念岳周辺での生息調査がスタートというニュースがありました。北アルプスの南部でのライチョウの生育調査は9年ぶりのことだそうです。

 

 

 日本でのライチョウ飼育の先駆的取り組みをしている信濃大町の大町山岳博物館では、今年もヒナが誕生していますが、今年は2組のペアから14個が産卵され、その内から8個が孵化したというニュースがありました。残りの6つの内4つは孵化する可能性ありと出ていました。

 このペアについて、1つは2019年に同博物館で孵化して成長した雄ライチョウと富山ファミリーパークからやって来た雌ライチョウで、7つ産卵しました。

 もう一組は2021年に同博物館で孵化し成長した雌ライチョウと横浜市繁殖センターからの雄ライチョウのペアで7つ産卵しました。

 

 

 信濃毎日新聞、長野日報、大町山岳博物館などからもニュースがでています。

今年予定されていた「ライチョウ・サミット」は中止になってしまいましたが、2025年には予定されているそうです。