情報だけはとっていましたが、まとめはずっとサボってしまいました。

 この「ライチョウから学ぶこと」も4年ぶりくらいです。

 毎年、6~7月には各地の動物園で人口繁殖、孵化とヒナの生育に取り組んでいます。

 そのヒナの誕生のニューズが届きます。

 

 ※白馬山塊、白馬大池から「雷鳥坂」を登ったところです。
 

 前回の「ライチョウから学ぶこと」の第26回では、

①中ア、木曾駒ヶ岳へ飛来した1羽のメスのライチョウのこと、このメスが無精卵を生み、それ

 を乗鞍岳からの有精卵と交換して5個が孵化したこと・・(孵化したヒナは1週間で全滅)

②50年ぶりに中央アルプスでライチョウの復活作戦が本格的にスタートしたこと、

③南アルプスのライチョウが激減していることと、北岳山頂周辺で「ゲージ」の設置によりヒナ 

 の生育保護が始まり、成果を得ていること、

④日本のライチョウの生息エリアごとの遺伝子の多様性についてのこと、

 

 

 中央アルプスのライチョウは1969年の目撃が最後でした。それが丁度、50年過ぎて、多分一番近い生息地の御嶽山から迷い飛来したものでしょう。

 でもこれがきっかけで一気に復活作戦が大きく前に進みました。

 この推進役はもちろん中村先生ですが、教え子たち、各地のライチョウの孵化に取り組む動物園、ライチョウの保護活動に取り組む多くのボランティアの方々・・

 

 

 また、絶滅して50年もライチョウのいない環境です。

 天敵(チョウゲンボウ、テンなど)もいますし、天敵も変化しているようです。

近年は北アでも南アでも、従来あまり目撃されていない、サル、シカ、キツネなども目撃され、サルがライチョウを襲い捕獲するシーンも放映されました。さらにイネ科植物の高山への進出も顕著になっているそうです。

 

 

 今回、第27回目のメモを書いたのは、6月24日の朝日新聞デジタルのニュースを記録したかったのです。 その内容は・・・

  ライチョウの復活作戦の課題はたくさんありますが、天敵の種類や数の増加と人口孵化させたヒナの生育と野生復帰が大きいようです。

 

 そこで野生ライチョウのフンを活用して人工ふ化で誕生したヒナに与えることについてです。

その研究の第一人者が中部大学応用生物学部の牛田一成教授だそうです。

「ライチョウのフンには2種類あって、固形状の「直腸フン」とチョコレート状の「盲腸フン」だそうです。この野生のライチョウのフンの採取は難しいそうで、環境省、信越自然環境事務所が生息地でフンを発見したら冷蔵便で送付し、届いたフンはフラスコの中で希釈してから凍結する。凍結したまま乾燥させてパラパラの個体ににして、粉末にして餌の一回分に小分けして野生復帰のためのヒナを飼育中の那須どうぶつ王国と恐竜のり実物大の像がある長野市の茶臼山動物園に送るです。

 

 

 去年にもこのフンを与えた那須どうぶつ王国の荒川さんによると「卵の孵化の1週間前の母鳥にリンゴやコケモモに振りかけて与え、ヒナにも生後2週間まで与える予定だそうです。

 このポイントは牛田教授によると「口から胃を通って盲腸までたどりつけばフンに含まれる腸内細菌が増殖するはず」といい、「野生のライチョウの盲腸には500種類以上の細菌がいて、ライチョウの餌である高山植物の消化を助ける」そうです。

 

 

 誕生時のヒナの盲腸は無菌状態。生後数日は免疫力で生き残れるが免疫力がなくなる頃から約10日間、ヒナは母鳥のフンを食べて腸内細菌を獲得します。この親のフンを食べて腸内細菌を獲得するのは、草食動物によくあることだそうです。

 しかし、餌の異なる野生下と人口飼育、孵化では腸内細菌は「似ても似つかないものになる」そうで、その課題の切り札として、この野生個体のフンの粉末。

 問題はこのフンを集めること・・ライチョウの盲腸フンは1年中出すのではなく、主に4月~7月に餌を大量に食べる産卵前の雌でも1日、2回しか出さないそうです。

 

 

 そして牛田教授によると「フンをまるごと与えてしまうのは、細菌学者としては敗北で、本当はライチョウの腸内細菌をカタログ化して、必要に応じて提供できる態勢にしたいが、最近のなかには、毎年頑張っても捕まえられないものがある。最近の分離に使う培養危惧がもともとは人間や家畜のために開発され、鳥類ではないので、工夫しても全く歯が立たない」そうです。 またまだ課題はたんさんありそうです。

 

 

  ライチョウの全数生息数の調査で3000羽と言うのが分かった後、減少の一途をたどり、最新の全数全酢調査卯では1700羽以下になってしまい、たくさんの方々の努力が続いています。 特に絶滅が心配なのが南アルプスのライチョウです。

 そして今注目されている中央アルプスでの復活作戦では、その数は2022年の初夏では40羽ていどとされ、秋の11月には80羽と報告されました。

 今年、縄張りも確認され、ヒナの誕生も確認されていますが・・

 この中央アルプスの山域ではナワバリの作れる数から目標が200羽とされているそうです。