本来の開花時期でない時に、気候の変化などで咲いている草木がよくあります。

 でもこれはいつも咲いているような感じでした。

 本来の花の季節は初夏です。

 

 

 近所の植栽なので、結構通りがかって見ていました。

 5~7月頃に咲いて、猛暑では花が消えましたが、10月の初めに咲き出して、11月になっても次々に咲いて、この12月になってもまだまだ咲いています。

 

 

 スイカズラです。 漢字では「吸い葛」です。

でも、別名がいろいろあり、この初冬になってなお咲いたので、「ニンドウ」がいいかなって思います。

 スイカズラ科、スイカズラ属の常緑ツル性木本です。 

 

 

 別名の有名ですね。

 「ニンドウ(忍冬)」とか「キンギンカ(金銀花)」、「ミツバナ(蜜花)」、「スイバナ(吸い花)」・・ 英語では「ジャパニーズ・ハニーサックル」などです。

 ジャパニーズってなっていますが、中国の方が本場かもしれません。

 漢名で「ニンドウ(忍冬)」というのをそのまま使っています。

 

 

 最近は街中のちょっとした植え込みから花を咲かせているのを見るようになりました。

 里山の道沿い、林縁などでは普通に暮らしています。

 そしたら、これがアメリカにも帰化していて、この花の魅力で増えているのかと思いきや、アメリカでは「最悪の帰化植物」として酷評されているそうです。

 

 

 花の形もよく知られています。なので当たり前に見ていますが、ちょっと考えてみると、やっぱり不思議なカタチをしています。

 

 

 葉っぱは対生についてまぁ普通の葉ですが、図鑑ではカタチは卵形、楕円形、長楕円形です。 そして茎はツル性で、細いけど丈夫、2年目になると中空になるそうです。

 

 

 花は葉腋から何故か2つがセット?、ペアになって、仲良く並んで咲きます。

 ツボミの時は薄紅色で、開花すると白く、そして時間が経つと黄色くなっていきます。

 この花の色変化はなぜ・・・?

 

 

 白から黄色くなっていく・・って言われますが、実際は白と黄色が一緒になって咲いています。 

 

 

 花の形の説明がとても難しいので、写真の通りです。

 唇形花のようで、上唇が先が4つに波のようになっています。

 下唇はいわゆるヘラ状です。

 

 

 そして花冠としては長い筒状で、筒の奥に蜜があります。

 この花を取って蜜を吸うのです・・。昆虫が吸いに来るのを花は待っていますが・・・

 昔は子供が遊びの最中に吸ったのに、最近はおじさん、おばさんが吸って「懐かしいわぁぁ」って言ってます。 今回も見ました。

 

 

 花筒に細かい毛があります。

 

 花冠の長さは4cmくらいですが、花びらに相当するのは2cmくらい。

 雄しべ、雌しべも花冠の外でのびのびしています。

 

 

 雄しべ、雌しべを観察しました。

 雄しべは5つ雌しべは1つです。

 

 

 この花もいろいろ薬として利用されていたようです。

 中国名の「ニンドウ」も生薬の名前ですし・・。

 

 

 茎や葉を乾燥させたものが、利尿剤、健胃、解熱に効果があり、花を干したもので疱瘡の膿を吸い出したとも言われています。

 

 

 

 

 

 

 雄しべと雌しべのアップを撮ってみました。