「歌謡大全集」で少しお話しましたが、最高に面白い小説です。
伊坂幸太郎さんのミステリーです。昨日もお話したようにこの作品で直木賞ノミネートを彼は断ったとか。
雑音なく、書くことに専念したいという理由のようですが、すでにこの作品は第21回山本周五郎賞、第5回本屋大賞などいくつもの賞を受賞しています。
私は本屋で平積みになっているこの本のタイトルにひかれて、思わず買ってしまったのですが、これは大ヒットでした
タイトルの「ゴールデンスランバー」は何とも懐かしい響きでした。
そう、ビートルズの最後のレコーディング・アルバムABBEY ROADの中の一曲、「Golden Slumbers」です。
ポールが父の家に遊びに行った時、幼い腹違いの妹に読んであげた「マザー・グース」に載っていた子守歌を見つけ、そこからこの歌が生まれたといわれていますが、もともとは17世紀のイギリスの劇作家トマス・デッカーの手になる子守歌なのだそうです。
で、小説に戻りますが、仙台で首相の凱旋パレードが行われている最中に暗殺され、主人公の宅配便のドライバーの青柳が犯人に仕立て上げられてしまうという話です。
「ケネディ暗殺のオズワルドにされるぞ。逃げろ。」と告げた直後、爆死する学生時代の友人森田。
物語は何のことか分からないうちに犯人に仕立て上げられてしまい逃げる青柳・・・・・・・・・・・
ミステリーなので、ストーリーはふせますが、鬼気迫る展開に引き込まれていきますよ。
タイトルになっている、ビートルズの「Golden Slumbers」は困難に立ち向かう青柳を描く上で、効果的に使われていますよ。
アルバム「アビー・ロード」はアビー・ロード・スタジオ前の横断歩道を4人が一列に並んで渡っている写真のジャケットがあまりにも有名ですよね。
Come TogetherSomethingHere Comes The Sunなど大好きな曲が入ってるビートルズが最後にレコーディングしたアルバム。
小説の中に出てきますが、このアルバムをレコーディングした時はもう4人が分裂状態で、それをなんとかポールがまとめあげようと、別々に録音されたアルバムの後半8曲をポールがメドレーに仕上げたんだそうです。「ゴールデンスランバー」はそのメドレーの6曲目です。
さて、次は何を読もうかな?と思ってる方、是非このミステリーを読んでください。
現代が抱えるいろいろな問題も見えてきたりもします。
私が一番堪えたのは、メディアのことですが・・・・・
ホント、面白いと思いますので・・・・・・・
多恵子