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前回のあらすじ


「あの虹のむこうに、日本はあるんだ!」

トーマスが日本の蒸気機関車「ヒロ」に出会ってからxx年、こんどはトーマスが日本にやってきた!!


(時代設定の狂った新金谷)




TOMIX 97932・8602 大井川鐵道きかんしゃトーマス号 2021年9月発売


C11 227<トーマス>

1942年9月9日日本車輌名古屋製 新製配置苗穂

1969年4月1日転属 苫小牧

1974年3月11日転属 釧路

1975年6月25日廃車

1975年11月22日 大井川鉄道入線

1976年7月9日 営業運転開始

1998年 期間限定で「それいけ!アンパンマン」                の「SLマン」仕様で運転

2000年10月2日組織再編 大井川鉄道→大井川鐵道

2008年 C11 312とボイラー交換

2012年 期間限定でオリジナルキャラクター

              「SLくん」仕様で運転

2014年7月以降 夏季冬季限定で「きかんしゃトーマス」仕様で運転

2021年12月 全般検査のため2023年秋まで離脱


日本初の復活動態保存蒸機です。実車での牽引できる客車の両数は4両です。

大井川鐵道では2014年よりDay Out with Thomasとして、C11 227号機をトーマスに改造して運行しています。その大井川トーマスがついに製品化です。


97932は限定品で、客車7両と電気機関車いぶき501とのセットです。8602は単品で、品番98383の客車3両セットと組み合わせて使用します。

C11自体はTOMIX40周年記念で製品化しましたが、走りに難のあるものでした。今回は45周年にしてリベンジ戦です。

顔は実車よりもCGアニメーションに似ています。先日に京都鉄道博物館のC11 64がトーマスに期間限定で改造されましたが、あれに近いです。


構造を一新したお陰で前回とは見違えるような走りです。325号機のために動力単品で売ってほしいくらいです。恐らく東武325として製品化されそうですけども。


MicroAce A7315 C10 8大井川鐵道改良品 2019年7月発売

C10 8

1930年7月24日川崎車輌兵庫製 新製配置大宮

1932年9月1日転属 高崎

1934年11月転属 田端庫尾久分庫

1935年7月31日転属 姫路

1937年10月転属 仙台

1942年1月転属 大湊

1944年4月転属 釜石

1949年転属 盛岡

1950年8月1日転属 花巻

1950年10月14日転属 会津若松

1962年4月譲渡 ラサ工業宮古工場

1986年11月 専用線廃止により引退

1987年7月譲渡 宮古市 旧宮古臨港線で動態保存

1990年1月 運行終了

1994年4月譲渡 大井川鉄道

1997年10月14日 営業運転開始

2000年10月2日組織再編 大井川鉄道→大井川鐵道


現存唯一のC10形式です。残りの22両は静態保存も無く全車解体されました。

C10の特徴的な重見式給水温め器は撤去されています。またリベットは大幅に減少しました。

鉄道省→国鉄→ラサ工業→宮古市→大鐵と所属が変わりました。そのことを「国家公務員→会社員→地方公務員→会社員」と表現された方がいまして、秀逸ですね。

実車での牽引できる両数は4両です。


マイクロエースとしては2度目のC10 8の製品化です。前回は赤ロッドで九州の貨車ホラ1形が付属しました。(ある時期のタンク機関車には必ず貨車が付属していました。テンダー機との価格差埋めのためらしいですが、要らなかったのでは…。)

今回は動力を一新、貨車の付属は無くなりました。しかし車体設計は変わらないので、ボイラー太め車高高めです。

どうもマイクロは蒸機だけは出来が……ですね。しかし他社には無いので買うのですが。

※2022.10.22追記

トラムウェイさんのC10シリーズは未だ8号機はありません。


MicroAce A7311 C11-190大井川鐵道・復活(2003年) 2011年8月発売

C11 190

1940年9月11日川崎車輌兵庫製 新製配置仙台

1940年10月7日転属 尻内

1941年11月23日転属 釜石

1943年8月26日転属 早岐

1945年転属 伊万里

1949年転属 早岐

1950年7月27日転属 西鹿児島

1950年10月15日転属 熊本

1966年10月28日 三角線お召列車牽引

1974年6月12日 廃車

1978年 八代市内個人宅にて静態保存

2001年6月譲渡 大井川鐵道

2003年7月19日 営業運転開始

2021年12月以降 「きかんしゃトーマス」

                                として運行 


大鐵3両目のC11形式です。C10 8の車歴と見比べると両機は仙台で一緒ですから、大鐵で再会したと言えますね。

熊本時代にお召を担当した優秀な罐でした。

2021年12月に227号機が全般検査に入ったため、「きかんしゃトーマス」は190号機で運転されます。227号機の復帰は恐らく2023年秋頃になるかと思われます。

実車での牽引できる両数は4両です。


2003年の復活直後の仕様で、お召装飾とデフの大鐵ロゴがあります。また九州仕様の通風口が炭庫に付いています。

出来はいつものマイクロエースですから、微妙に似ていない気がします。画像の車両では車高下げのための動力部のダイキャスト切削、デフの加工をしています。



大井川には過去に2109号機という車両も存在しました。こちらの記事にて紹介しております。




TOMIX 97932 大井川鐵道きかんしゃトーマス号 2021年9月発売

大阪窯業セメントいぶき501

1956年1月15日日立製作所水戸製

1999年6月 専用線廃線

1999年10月譲渡 大井川鉄道

2000年2月 営業運転開始 ED501

2000年5月18日貸出 三岐鉄道 

                          中部国際空港埋立土砂輸送のため

(2000年10月2日組織再編 大井川鉄道→大井川鐵道)

2003年3月18日返却


東海道線近江長岡駅から伸びていた専用線の機関車でした。名前の由来は同社が石灰石を採掘していた伊吹山です。

いぶき502という車両もありましたが、大鐵に来たものの運転されることなく、三岐鉄道に譲渡され2015年に解体されました。


現在は大鐵E10形や西武E31形と共にSL列車の補機をしています。

上のC10・C11に「実車での牽引できる両数」を記載しましたが、あの両数を越える場合に使用します。すなわちきかんしゃトーマス・ジェームスには必須です。

C11227・190・(312)・C10 8…4両

(過去は4機とも5両まで牽引可 また千頭での入換中に7両を単独で牽引する)

C56 44・C12 164・E31…3両

(C56は過去は4両まで牽引可)

E10・ED500…不明

(5両程度?)


製品としてはワールド工芸の大阪窯業仕様以来、またプラ完成品では初です。2021年9月現在E10形の方は全く製品が無いため、よく見るようなSL急行の電機はいぶきのみとなります。

(E31形は西武仕様、大鐵仕様とも製品化済み)

セットには金属車輪φ6とPT-4212-Sパンタグラフが付属します。

C11 227とオハ47 398が動力車のため無動力となっています。東武や岳南の機関車より台車間距離が広いため対応動力ユニットはありませんが、腕に自信のある方はぜひ加工してみましょう。


MicroAce A9952 大井川鐵道E31型電気機関車(E32) 2021年10月発売

E32

1986年 西武所沢車両工場製

2010年3月31日 廃車

2010年9月譲渡 大井川鐵道

2018年3月 本線運転開始


西武の工事列車用機関車です。貨物列車はE851形という機関車がいたため滅多に担当しませんでした。

電車用台車(国鉄80系のもの)を使用したため電気機関車にしては車体裾が低いため、短足感を出さないよう裾を黒くしています。

工事列車は2008年に廃止、車両輸送の役目も101系263編成という4M0Tのハイパワー電車に置き換えられ、4両全機が2010年に引退しました。

当初は貨物輸送を行う私鉄へ譲渡するとのことでしたが、結局は旅客担当としてE32〜34が大鐡へ。

ところがE10やED500より出力が低く、その他諸々の事情で車籍復活が遅れてしまいました。

(恐らく西武側で一旦廃車扱いとしたため、新規登録しなければならなかったのも要因)

2017年より順次営業運転を開始しています。


製品では2015年に西武晩年仕様のE32とE34(2両セット、両機動力車)、2021年に同じく西武晩年仕様のE31とE33(それぞれ単品、E33は無動力)、大鐡仕様のE32(西武アンテナ撤去、スノープラウ変更)が製品化されています。

手持ちの個体ではですが、C11 227(トーマス)とは重連できます。


画像のように、TOMIXのS70レールに収まります。

いぶき501…12600mm 1956年

                     定格出力600kW 定格引張力9000kg

E31形………10950mm 1986年

                     定格出力520kW 定格引張力5300kg


E10…………12800mm 1949年

(今回未登場) 定格出力600kW 定格引張力7000kg

※定格出力、定格引張力はいずれも1時間


さて、今回はTOMIX初の大鐵蒸機、そして待望のC11動力改良と大鐵電機の製品化でした。

動輪径や軸間の都合でC57動力ほどの汎用性はありませんが、C11の現存機は多いですから今後の展開に期待です。


大鐵電機に関しては、SL急行列車の人気は高く製品化したメーカーも3社あるにも関わらず、意外と少ないのが現状です。メインのE10形に至ってはゼロです。しかしいぶき501の製品化によって、少しは希望が見えてきたのかもしれません。


客車編に続きます。