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続・大井川トーマスということで、C11 227と共に塗装変更された7両の客車を見ていきます。
いずれも 97932 大井川鐵道きかんしゃトーマス号セット の車両です。

(画像手前…千頭側 東海道基準上り側
画像奥…金谷側 東海道基準下り側)

スハフ42 286
ドア…Hゴム大窓
窓枠…木枠
トイレ窓(画像側)…スリガラス
洗面所窓(裏側)…白塗装

1954年9月日本車輌名古屋製
1964年2月 近代化改造 ぶどう2号→青15号
1965年12月 電気暖房化 286→2286
国鉄最終配置 静岡運転所清水派出所
1984年8月29日 大鐵入線 2286→286

千頭寄り3両は、同じ静岡県内の清水港線から共に移動してきた車両です。
この編成に使用されるスハフ42は全車とも車掌室が金谷寄りにあります。そのためこの1両のみ千頭側妻面扉を締め切り、その側の尾灯を点灯します。模型ではそれぞれ新規金型、基盤の反転で再現しています。


オハ47 81
ドア…Hゴム
          千頭寄り左側面(画像手前)1枚のみ黒Hゴム
窓枠…木枠
トイレ窓(裏側)…白塗装
洗面所窓(画像側)…白塗装

1952年4月日立製作所笠戸製 スハ43 140
1963年3月 台車交換 TR47→TR23F
                    伴う軽量化のためオハ47へ
1964年3月 近代化改造 ぶどう2号→青15号
1965年12月 電気暖房化 81→2081
1969年3月 台車軸受改造 TR23H
国鉄最終配置 静岡運転所清水派出所
1984年8月29日 大鐵入線 2081→81

この車両のみ台車が違うため、車番標記は無いもののすぐ判別できます。
スハフ42とこの車両は電気暖房を撤去し、番号を製造時のものに戻しています。電暖対応の機関車がいませんので。


スハフ42 184
ドア…トイレ側(画像側)は黒Hゴム
           洗面所側(裏側)はHゴム
           車掌室側両側面は木製
窓枠…アルミサッシ
トイレ窓(画像側)…Hゴム小窓
洗面所窓(裏側)…Hゴム大窓中折

1954年2月汽車会社製
1962年12月 電気暖房化 184→2184
1967年3月 近代化改造 ぶどう2号→青15号
1968年3月 室内灯蛍光灯化
1971年3月 体質改善工事
国鉄最終配置 静岡運転所清水派出所
1984年8月29日 大鐵入線 2184→184

3種類のドアが付いています。これを再現できるのも、初めからドアを別パーツにしていたおかげです。
トイレ窓が小窓といえばJR東日本のスハフ42 2173もそうですが、車掌室側の妻面扉が異なるため金型は異なります。


オハ47 380
ドア…Hゴム
窓枠…木枠
トイレ窓(画像側)…白塗装中折
洗面所窓(裏側)…スリガラス上段下降

1954年5月川崎車輛製 スハ43 380
1956年2月 実重量が37.5t未満のため
                    オハ46 380に改称
1965年10月 近代化改造 ぶどう2号→青15号
1974年8月 体質改善工事
国鉄最終配置 福知山客貨車区
1987年2月 大鐵入線 オハ46 380→オハ47 380
                    塗装変更 青15号→ぶどう2号

この車両は福知山時代に、現ナショナルトラストのオハニ36 7と共に活躍していました。
大鐵にはオハ46からオハ47に改称された客車が3両あります。“オハ46”と新規形式で出すより、既に来ていた“オハ47”の増備として国交省に申請を出す方が面倒ごとが少ないのでしょうか。
いずれの車両も既存の国鉄オハ47とは番号は被りません。


オハ47 512
ドア…画像側はHゴム 裏側は木製
窓枠…木枠
トイレ窓(画像側)…白塗装中折
洗面所窓(裏側)…白塗装上段下降

1954年9月川崎車輛製 スハ43 512
1956年3月 実重量が37.5t未満のため
                    オハ46 512に改称
1964年4月 蛍光灯化
1966年7月 近代化改造 ぶどう2号→青15号
1971年2月 体質改善工事
国鉄最終配置 浜田客貨車区
1987年2月 大鐵入線 オハ46 512→オハ47 512
                    塗装変更 青15号→ぶどう2号

浜田の客車といえば東は京都、西は運用により関門トンネルの先、九州の門司で見られました。そう、あの門司発福知山行き824列車に使われた客車です。
近年では長距離鈍行列車ツアーをたまに開催する大鐵ですが、山陰編があるならこの車両を入れるでしょうか。見た目は…どうしましょうね?
浜田時代の仲間にはJR西日本に継承されたオハフ33 289がいました。そちらは残念ながら現存しません。


オハ47 398
ドア…Hゴム トイレ側と点対称の2枚は黒Hゴム
窓枠…アルミサッシ
トイレ窓(画像側)…白塗装
洗面所窓(裏側)…スリガラス

1954年5月川崎車輛製 スハ43 398
1956年2月 実重量が37.5t未満のため
                    オハ46 398に改称
1964年6月 近代化改造 ぶどう2号→青15号
1971年6月 体質改善工事
1977年6月 側窓アルミサッシ化
国鉄最終配置 西鳥取運転区
1987年2月 大鐵入線 オハ46 398→オハ47 398
                    塗装変更 青15号→ぶどう2号

西鳥取時代には、現在京都鉄道博物館で保存中のオハ46 13と共に活躍しました。あちらは初めからオハ46として製造された車両で、車体形状が若干異なります。
かつての梅小路にいたオハフ33 48も仲間でしたが、残念ながら現存しません。

カニ24、カヤ27に次ぐ動力客車です。
ただし機関車とはギア比が違いますし、モーターにも回転方向の得意不得意がありますから、ここは説明書通りの調整をしましょう。TNカプラーは今回ばかりは推奨されていません。
でも下り向きにしたいときどうすれば良いでしょうね。
ガラスパーツは動力車用に新たに設計されています。
なお動力台車はまさかのカプラーポケット別パーツです。それどころか台車を前後反転させてもカプラーポケットが付けられます。


スハフ42 304
ドア…Hゴム大窓
           裏側車掌室側の1枚のみ黒Hゴム大窓
窓枠…木枠
トイレ窓(画像側)…白塗装
洗面所窓(裏側)…スリガラス

1954年10月日本車輌名古屋製
1964年5月 近代化改造 ぶどう2号→青15号
1969年8月 電気暖房化 304→2304
1973年2月 体質改善工事
国鉄最終配置 盛岡客貨車区
1992年11月 大鐵入線 2304→304
                       塗装変更 青15号→ぶどう2号

スハフ42 186とともに大鐡旧客の最終増備グループです。
JR在籍の末期は、現在高崎に所属するスハフ42 2234や、旭川所属のスハフ42 2261と共に活躍していました。
(5両の青いスハフとして南秋田のイベント用として使われました。残る2085は引き取られず解体されています。)
大鐵はもともと50系客車を求めて東北に行ったようですが、2186と2304に出会ったところで「やっぱりこっちがいい」となり購入したそうです。


なお同時発売に 98383 大井川鐵道旧型客車(オレンジ色)セット がありました。
こちらの3両は特にモデルは無いようです。

スハフ42 (Hゴムが黒なのを除けば286と同じ)
ドア…黒Hゴム大窓
窓枠…木枠
トイレ窓…スリガラス
洗面所窓…白塗装

オハ47×2
ドア…黒Hゴム
窓枠…木枠
トイレ窓(画像側)…スリガラス
洗面所窓(裏側)…スリガラス


2022年12月より、ジェームス編成の常連だったスハフ42 186が新たにオレンジ色となりました。初の千頭向きスハフ42です。
検査時の欠車補充として追加されたものと思われます。
この車両も個性的で、作るには色々混ぜなくてはなりません。

スハフ42 186
ドア…黒Hゴム
窓枠…木枠
トイレ窓(画像側)…白塗装中折
洗面所窓(裏側)…白塗装中折

2023年3月には35系客車にもオレンジ色が登場しました。
オハ35 149でして、窓上の細長い板が無いノーヘッダー車両です。
この仕様はNゲージ製品には無いので、改造が必須です。


2021.11.3 追記
世田谷総合車輌センター様の転写シートを買ってみました。オレンジの車体に黒の文字を入れれば、いつか駅で見たあの客車の姿になります。

品番835 スハ43系列客車(オレンジ)標記
特定のぽち、IMON、GMストアーで購入できます。特にIMONは通販があり大変便利です。

 


さて、こうしてTOMIX初の大井川鐵道の蒸機牽引列車が無事世に送り出されました。
今回はきかんしゃトーマスでしたが、もし次にやるならかわね路号でしょうか。ただ時代により客車は様々なので、24系北斗星のように発売されるたび内容が変わる、なんてことになりそうです。

いっそC56を新規で出してきかんしゃジェームス号なんてどうでしょう。C56 44の製品はまだどこも出していないので期待です。その分オハ35の特殊形態やら、もと電車の客車やら、新規で起こすものは多くなりますが。
みどりのトーマス号もいいですね。新金谷寄りの1号車にぶどう2号のオハ35が連結された特徴的な編成でした。

今回のC11を活かして、また新しい製品を作っていただけることに期待ですね。