の続き

（引用元：2022.2.13 東京新聞埼玉版より）

「差別への思い　ロゴに込めて　朝鮮学校の保護者会が独自グッズ　問題知るきっかけにも」

2022.2.13 東京新聞埼玉版　https://www.tokyo-np.co.jp/article/159949

　埼玉朝鮮初中級学校（さいたま市大宮区）に通う子どもたちの母親でつくる保護者会「オモニ（母親）会」のオリジナルグッズが、人気を呼んでいる。昨年の学校創立６０周年を機にブランドを立ち上げ、学校と母親たちが紡いできた物語を込めたロゴマークを制作。民族差別の問題を知るきっかけにもしてほしいとしており、「埼愛キムチ」の学校頒布会などで販売している。（前田朋子）

　朝鮮学校への自治体からの補助金が打ち切られる中、各地の保護者が独自に商品を開発し、売り上げを学校の運営費などに充てている。本年度オモニ会会長の金善恵（キムソネ）さん（４９）は部活の支援を目的にオリジナルブランド「Ｃｏｒｕｍ（コルム）」を立ち上げ、ロゴ入りのトートバッグを制作。丈夫なデニム地で、Ａ４判が入るサイズとお弁当入れなどに向く大小二種（各千円）を二百ずつ作った。

コルムは朝鮮の民族衣装チマ・チョゴリのリボンを指す言葉で、同音で「歩み」の意味もある。ロゴマークは学校の美術教諭の河美香（ハミヒャン）さん（４０）が考案。オモニ会と調整を重ね、母親のコルムが子どもを優しく包み込むデザインにした。

　バッグは昨年八月の頒布会で人気を呼び、その後も口コミで評判が広がり完売も間近だ。ただ、金さんは「お母さんたちが頑張った」という美談にしてはいけないと強調する。

　東京の朝鮮学校出身の金さんと河さんは、チマ・チョゴリが民族差別を受けやすいとして、制服がブレザーに変更された世代。河さんは高校生のころ、駅で見知らぬ男性にチョゴリにつばを吐きかけられたことがあった。コルムには特別な思いがあるという。