支えてくれた人たちへ、恩返しを-朝鮮大学校サッカー部- | かっちんブログ 「朝鮮学校情報・在日同胞情報・在日サッカー速報情報など発信」

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支えてくれた人たちへ、恩返しを-朝鮮大学校サッカー部-




http://cs-park.jp/column/detail/id/493







通う生徒はわずか700人強。1つの学年でも1つの学部に所属する人数でもなく、全校生徒の数字だ。西東京は小平に学舎を構える朝鮮大学校の話である。一般的に"大学"と言えばオープンにされているもので、自由に出入りが出来るという印象がある(もちろん各校ごとに規定はあると思うが、大体の人がその規定の厳格さを感じることはないだろう。筆者も然り)が、ここに関してはその"常識"は通用しない。門を通って構内に入るには守衛に来校理由を伝え、そこで受け取ったカードには訪問先の人物のサインが必要となっている。前述した通り、他の大学のように構内を自由に行き来できるスタイルに慣れていたのもあり若干の違和感を感じたのは事実である。そうして入ることを許された校内の奥に、人工芝のグラウンドがあった。ラグビー部と一緒に使われているようであるが、「やっぱり、朝鮮学校にとって一番メジャーなスポーツはサッカーですね」と学校関係者は言う。全国に散らばるどの朝鮮高校にも間違いなくサッカー部は存在するとのこと。そんな中で最近はラグビーも盛んになってきているようではあるが、サッカーの人気には追い付かないとのことだ。
 そして、先にも述べた700人の中から「純粋にサッカーをやりたい」という思いを持って門を叩いた部員たちが"一番人気"のスポーツに励み、大学サッカー界の最頂点を目指そうとしている。
 
 「数的な面で考えちゃうと、どうしても足りないですよね。そういう状況でもあるので、意識というかハングリー精神というものが高校の時から培われている子たちが大学に上がってきています。数が少ないとも言えますけど、少数精鋭でやっていっているとも言えますよね」チームを率いる若き指揮官・金載東(キム・ジェドン)監督は語る。



 
  

 

練習中、全員を集めて指導をする金監督

 


「在日の高校を通っている子に声をかけることはありますけど、セレクション等はないです。そもそも、高校生のキャパ自体が少ない状況なので…ここにいる子たちが朝鮮大学校を選んで来てくれているという状況。いる選手で、ある環境で最善を尽くすだけですね。それが日頃から求めていることです。」在日の高校に通う優秀な選手に声はかけるが、別の私大に行くケースも徐々に増えてきているようだ。その理由は言うまでもなく、能力のある選手ほど"関東一部"という大学サッカー界における最頂点でのプレーを欲するからである。「関東の、特に一部の大学が一番スカウトの目に止まるので」地方出身ながら、現在は関東リーグの大学に所属している選手が以前にこう述べていたのを、思い出した。

セレクションで選手を取らないどころか、優秀な在日の選手を引き込むことも難しくなってきているのが現状だ。ただ、それでも金監督はその状況を悲観することはない。


 「その子がどうとか他の大学がどうとか言う前に、朝鮮大学が一部にいられるかいれないかが選ぶ学生にとっては重要なポイントになっている。まだまだうちにその力が足りないんだなと思って、もともとキャパが少ない中で1人でも多い人材に朝鮮大学に来てもらうためにはより強く、より魅力あるクラブになったり、そういう大学になるしかないのかなと。現時点では他の私大のほうが魅力やブランド力があるし、実力も高いです。そこは真摯に受け止めながら成長して行かないといけないかなと思います。」
 他の大学と比べてディスアドバンテージを感じる要素が多い中でも、それを苦に感じる様子は全くない。というのも、それ以上に悩める時期がこの大学の歴史であったからだと察する。
「日本の大学連盟の条件だったみたいです。僕が入学する前からの規定でした。でも、在日のサッカー界が働きかけてくれたおかげで都リーグ、関東と上がれるようになったんです。非常に苦労はしたんですけど、色んな人が頑張った結果ですよね。5年経って、今は6年目になるんですけど。常に日本サッカー界もレベルアップしている中で非常に厳しい戦いが強いられると思います。」

金監督自身も朝鮮大学校のOBであるのだが、彼の時代は東京都2部までしか上がれないという規定があり、監督が卒業後にもらうことが出来た資格も東京都1部の参加までに留まった。しかし、ルールの改定を重ねた上で、現在の関東2部にまで上り詰めた。ここまで来た背景には監督が前述するように多くの方の働きかけがあったからである。
 朝鮮大学校サッカー部出身の選手で代表的なのは、Jリーグ・川崎フロンターレでもプレーをした鄭大世(現・Kリーグ 水原三星ブルーウィングス所属)だろう。ただもしかすると、彼がここの出身であることを知らないという人もいるかもしれない。J1に収まらず、ヨーロッパの舞台でも活躍した彼も、実は関東の舞台を踏むことはなかった。「鄭大世選手が4年生のときですら、関東には上がれなかったんですよ。そのときもすごくタレントが揃っていたんですけど・・・。まあ、早稲田や日体大が東京都1部の時期だったので、レベルの高い都リーグ時代を過ごしたということですね」(金監督)



 

 


 いくら力を持っていても関東リーグに昇格することが許されなかった時代があった。この事例だけではないが、苦難の時期があるからこそ養われるメンタリティの強さがある。「ここまで育ってくるほとんどの学生が小中高と朝鮮学校から来た子たちですよね。95%以上がう。それで、1人か2人が日本の学校を通っていたという感じです。そういった中で、朝鮮学校では与えられるものがあまりないというか、色々と与えられずにここまで育ってきているという環境がある。だから、学生時代に色々な支援を受けながら成長を送ってるんですよね。ボールひとつにしてもビブス1枚にしても。今日はたまたまビブス支援してくる人がいらっしゃって。真新しいものを使って練習ができています。そうやって、支援して下さる方々や父兄、先生への感謝の気持ちというのがあるんです。小中高と当たり前のように色々と与えられて、お金だけ貰ってやっているわけではなくて、本当に沢山の人に支えられてここまで育ってきた。それでこうやって大学で、ちょっと年数は経ってしまっているんですけど、素晴らしい人工芝やナイター設備のあるグラウンドで自主トレも出来るんですよね。そういう経験が

"苦しい時に力を抜いていいのか" "支援してくれる人のために恥ずかしくないプレーをしないために頑張れるか"

というメンタル面に繋がっていくんじゃないですかね。常に支援してくれた人たちへへの恩返しじゃないですけど、いつでも全力で、絶対に支援してくれる人たちに恥ずかしい思いをさせないという強い思いが、よく言われる精神力の強さに繋がってくるのではないのでは、と思いますね。まあ、それが結果につながるかどうかというのは…勝負事なので(苦笑) 去年のように50失点してしまうシーズンもありますし。2年前は年間通して22試合で20失点のときもありました。そういう上下動の波はあるのですけど、そういう結果に精神力の強さが繋がっていくのかなとは思います」金監督はこう分析する。

 

 

 

 
 そこの精神力の強さに関して言うと、選手たち自身も感じている部分はあるようだ。「高校、中学から先輩後輩の関係が厳しかったので、後輩からしたらやらなければいけないという思いがあった。そういう点でメンタルが鍛えられたのだと思いますし、他の大学よりも負けん気とか、そういう点は強いと思います」ガットゥーゾを目標の選手として挙げる、主将の任良太(イム リャンテ 4年・神奈川朝鮮)は言う。3年生で主力選手の1人、朴利基(パク リキ 3年・大阪朝鮮)は「朝鮮人としてあまり恵まれたチームには入れなかったんです。でも、周りはレベルが高いし、日本人の選手も上手い人が多かった。その中で勝てるとしたら闘志とかそういう部分かなと。がむしゃらさも昔から鍛えられてきました。そこは今でも自分の自信の部分に繋がっていると思います」と、自身の過去を振り返りながらこう語ってくれた。

 


「在日の民族性だとは思うんですけど、韓国の試合とかを見てても気持ちの強さは感じます。それを、"もって生まれたもの"と言ってしまえばあれだけど、根本的にはそういうのが朝鮮の子どもたちにはあると思います。自分達は、今はこういう芝生のグラウンドでサッカーが出来る環境にあるけど、中高、小学校とかそういうところは土でやっていましたし。僕達の高校はラグビー部とサッカー部でグラウンドを半分半分で使っていました。決して環境は良くないです。でもそういう中でやっているからこそ、負けたくないというハングリー精神が自然と養われている部分があるんだと思います」
FWで10番を背負う、周祐慶(チュ ウギョン 4年・大阪朝鮮)の言葉が印象的だった。

決して恵まれた環境にいるわけではないことに加え、過去を考えてみれば関東2部の舞台で戦い続けていることが賞賛されるべきことなのかもしれない。しかし、もちろんこの現状に満足している訳ではない。現時点での目標は「2部で優勝し、1部昇格を成し遂げること」(朴)である。

ただ今季は現時点で10位と、苦しい戦いの渦中にいる。降格の2文字もちらつく位置だ。しかし、紆余曲折を経て掴んだ関東2部の舞台での一枠を、やすやすと受け渡すわけにはいかない。

「グラウンドの中では、4年生はそんなに多くないんですけど、その中でも団結して後輩を引っ張って行きたいです。僕らは全寮制で、同じ時間を同じ環境で過ごしています。なので共有出来ることも多い。日常生活から団結して、1試合1試合を戦っていきたいですね」(周)

 


ピッチに立つのは11人プラスアルファに過ぎないが、関東リーグの舞台で戦えているというこの事実は、選手やスタッフに留まらず多くの人の支えがあってこそ成し遂げられたものである。背負うものは大きく、その中で目標とする1部の舞台への戦いを続けるこのチームの歩む道はもちろん、簡単なものではない。しかし、周が語るところの"団結力"と戦う彼らを内外から支える人たちの存在が近い未来にこのチームを1部まで押し上げる原動力となる事は、間違いないだろう。




 

 

 


任良太(4年・神奈川朝鮮)



 

 

 


朴利基(3年・大阪朝鮮)



 

 

 


周祐慶(4年・大阪朝鮮)





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がんばれー朝鮮大学サッカー部



http://korea-ufc.com/




ジャドン 渋いなー

 

 ※うちの息子たちも(3人)朝大に入るんだろうなー