今回は、自分のタンテイ読みについて考えます。これまでの「たぬきの糸車」シリーズにはなかった内容です。もちろん、実施の実践でその考えで行った一端は書いてきました。

とは言っても、ぼくは「国語」研究者でもないので、実際の教室で子どもたちと学びのなかで考えて実践してきたことです。

 

    スター スター スター スター スター

 

ラブラブ前々回①、前回②の書き出し部分の学びで、自分が大事にしたことがあります。

まずは「イメージ〈形象〉を大事にする」ということです。

そのことを語るためのパワーポイントです。

 

イメージをつくるためには、描写されていることを正確におさえることが前提です。

少し前の「モチモチの木」の教材研究でも書いたように(「雪隠(せっちん)とは何か」(安易に‟トイレ”などと置き換えない)、「五つにもなった」(これは数えの五つであり、実際はほぼ四歳であること)ことなど、子どもたちだけ経験、知識では解決がつきません。

そこで、の考え方です。

1⃣

おくびょう豆太、「五つにも」とは?(自分の教材解釈こそ) | さんにゴリラのらぶれたあ (ameblo.jp)

2⃣

「五つ」か「四つ」か、オリジナルな自分の解釈を求めて | さんにゴリラのらぶれたあ (ameblo.jp)

3⃣

『モチモチの木』が教科書に採用されるのは | さんにゴリラのらぶれたあ (ameblo.jp)

 

「たぬきの糸車」の書き出しでも「ことば」を正確に読み、イメージをつくりました。これからタンテイする(読む)物語ですから、とりわけ初めの部分では丁寧に学びます。

 

*「まいばんのように」と「まいばんまいばん」の違いなどがその例です。

ことばをもとにしたタンテイによるこの正確なおさえが、たぬきの「やってくる」行為からわかるたぬきの心情の変化につながります。ここでの描写イメージです。

 

*それらが、おかみさんの側からの「語り手」の視点をくぐることによって、たぬきの人物像をどうつくるかがはっきりします。「いたずらもんだが、かわいいな」――そう思いながらイメージをつくっていきます。描写イメージをもとにつくる表現イメージへ。

ぼくの場合は、それを視覚的にするために簡単な絵をかいたり、あそびのようなパフォーマンスもとり入れます。

 

ラブラブ実際の授業記録にもあるように、子どもたちのタンテイ活動は、教室の実際の発言やあそびも含んだ教室での共有した事実をもとにしていきます。こうしたエピソード記憶があるから学びは豊かになっています。教師と子どものやり取り(対話性)、子ども同士のやり取りを通して、教材との対話も深まります。その時のやり取りの豊かさ、面白さこそ、子どもの積極性を生んでいきます。

 

評価や音読について

音読をぼくは大事にします。しかし、教室で行われている音読は多くの場合、学びと切り離した訓練・習熟の一環になっています。だから、宿題・家庭学習として回数を追い求めるものになっています。

音読は、学びのなかでの面白さを共有したからこそ、動機がつくられるのです。学んだこと、エピソード記憶が生きる音読こそ大事にします。

とすれば、評価する際にも子どもの音読に教室で学びのなかでの培った共感があらわれているかどうかを見たいとかんがえます。教室での音読は、表現の巧拙(こうせつ)に目を向けるのではありません。

機械的な音読練習を課すことや、その評価を教室以外の人がすること(授業に参加していない保護者にチェックさせること)は、教室の学びでは排されなければならないと思います。

学びの結果は、子どもたちの音読に生きるのだから。