メダルの重さ | 板金屋見聞録 ~ 田名部 徹朗 オフィシャルブログ

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日本製造業の明日を信じてがんばっている皆さんへ、九州の小さな工場で日々おこる出来事を通してエールを送るブログ。

一昨日、とある会合の講演で

パラリンピックのメダリストの方の講演を聞かせていただきました。

 

「逆境をチカラに変える~小さな積み重ねと感謝こ習慣」という題目で

90分ほどのお話でした。

 

20歳くらいまでは健常で普通に育った方が、進行性の目の病気にかかってしまう。

それも、数年で失明してしまうという重篤な病気だったという絶望の淵から

どう奮起し、そしてオリンピックでメダルを取るようなアスリートに

なっていったかというお話を、それはそれは明るく楽しく語っておられたのが

印象的でした。

 

 それでも一番つらかったお話のは、発症時ご両親に何も言えなくて引きこもりとなってしまったが、

一念発起して報告のため田舎に帰った時のお話です。

ほとんど光しか感じられなかった状況で1人電車に乗り、

田舎の駅についてホームに恐る恐る降りたところ、

我が子の異様な様子に驚き「あんた、そんなへっぴり腰で何しよっと」と

遠い改札の先から声をかけてきた出迎えのお母様。

すぐさまそこで娘に失明を告白され人目もはばからず号泣されたというシーンでした。

 

でも、そんな逆境の中で出会ったパラボールなるゲームに生きがいを見出し、

オリンピックでメダルをとるまでに昇華させていった気持ちの強さは

驚きでしかありません。

 

彼女自身に言わせれば、現状に負けないための日々の努力の積み重ねと

それを周りの皆さんが助けてくれたことだけですとおっしゃっていましたが、

そんなに簡単にできることではありません。

 

自分がそこまでの強い心で生きているのかと自問することさえ

恥ずかしくなるような微笑みと自信に満ち溢れた方のお話でした。

 

お話だけでなく、途中には会場の方に実際に目隠しゴーグルをつけてもらい

全盲でのプレーを体験してもらったり、

目の不自由な方に対してどう接すると喜んでいただけるかなどの実践話も

加えて感動の90分でした。

 

本当自分は恵まれていること、どんな状況になっても生きるってことの素晴らしさや

周りへの感謝の気持ちをあらためて認識させていただきました。

 

講演後の懇親会では、獲得されたロンドンでの金と東京での銅メダルを

首にかけていただき親しくお話をさせていただき、

大変有意義な時間を味わうことができました。

 

本当メダルは重かったです。

 

↑人生初メダル体験。結構重かった。

 努力含め背負ってるモノが違うのだと実感。